りんごMAGAZINE

【わたしたちのりんご音楽祭】「会いたい人には会いに行ける! 大人ってこういうことだったんだ」

#わたしたちのりんご音楽祭 では、参加者それぞれの視点から「りんご音楽祭」の思い出について語ってもらいます

仕事がつらくて泣いていた新社会人1年目

りんご音楽祭に初めて行ったのは18歳の時でした。新社会人で、仕事がつらくて、毎日泣いてました。そしたら職場の先輩が、急に「長野ですごく面白いフェスがあるから一緒に行こうよ」って誘ってくれて。先輩とは、仕事終わりにカラオケ行くとかはあったけど、休みを合わせて二人で遊んだことがなくて。正直不安だったけど、とりあえず出演アーティストを調べてみたら、大好きなAndreの出演が決まっていて。「やばい、行くしかない!!」ってチケットを取ったんです。

金曜日に休みを取って前乗りしました。先輩が浅間温泉のめっちゃいい旅館を選んでくれて。温泉に入って、初めて二人でいろいろ深い話もして、「明日楽しみだね」って言いあって寝ました。当日も、「せっかくだから朝風呂入って行こう」って言われて。「フェスって、朝から晩までじゃないの?」と思いながらも温泉に入って、昼過ぎくらいにのんびり会場に着きました。

目の前に、同じフィールドに、大好きなアーティストがいた

Andreの出るおやきステージに行ったら、思っていたよりも客席とステージが近くて。

最前列で待っていたら、本当に目の前にAndreが来たんです!ぶち上がって、ほぼずっと半泣き状態でした。ライブ中、Andreが何回もこっちを見てくれて目が合ったんです。当時18歳だった私からしたら、「私は、自分の稼いだお金で遠くまで行って、好きなアーティストに会いに行けるんだ」というのが信じられないことで。「大人って、こういうことだったんだ!!」と思いました。

そのあと、先輩のおすすめのタイポップDJ817のステージに行ったら、Andreもそこにいて! フェスって、アーティストはアーティスト用の特別席にいるんだと思っていたから、自分とおんなじフィールドにいることにびっくりしました。「最高でした!Andreのために岩手から来ました!」って直接話すことが出来て……。正直、そのあとのステージはずっと放心状態で、ほぼ覚えていません。

自分が好きじゃない空間にわざわざ居続ける必要はない

感動が冷める前に会場を出て、岩手に帰る新幹線に乗りました。余韻に浸りながら、だんだん「また明日から会社か、嫌だなぁ」と落ち込むと同時に、ふと「あんなに楽しい空間を知ってしまったら、もう今までの日常に戻ることは出来ないかもしれない」と思ったんです。むしろ、「戻りたくない!」って。

自分が好きじゃない空間にわざわざ居続ける必要はないんだって、自分で好きな空間を選んで飛び込めばいいんだって気づけたんです。りんごから帰った数日後に、会社を辞めました。

今の会社はめちゃくちゃ楽しくて! りんごに誘ってくれて先輩とは今も仲良しで、次の年も二人で一緒にりんごに行きました。2年目のりんごもやっぱりめちゃくちゃ楽しくて、でも今度は楽しい気分のまま、「早く会社のみんなに話したいなぁ」と思いながら帰りの新幹線に乗れました。

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