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りんごMAGAZINE

「ごみを拾わない」ボランティアが、フェスをピースな場所にする。エコステーション運営・NPO法人iPledge インタビュー

松本市アルプス公園の豊かな自然の中で開催されるりんご音楽祭。かつて、りんご音楽祭の会場には大きな鉄箱が置かれ、可燃・リサイクル関係なくごみが投げ捨てられていました。ポイ捨てされるごみも多く、自然公園の美観を保つため、常にごみ拾いのスタッフが清掃を行っていました。

その風景が、2024年のエコステーション導入を境に変わりました。今では、ステージが終わり、テンションそのままにエコステーションへやってくる来場者と、ボランティアスタッフがハイタッチを交わす——そんな瞬間が会場に生まれています。

エコステーションの運営を担うのは、NPO法人iPledgeです。NPO法人iPledgeは、全国各地の野外フェスで「来場者が自分でごみを分別したくなる仕組みづくり」に取り組んでいます。

りんご音楽祭では現在、エコステーションを継続・拡充するためのスポンサー企業・事業者様を募集しています。なぜ、音楽フェスで環境活動に取り組むのか。アルプス公園という場所で活動することに、どんな意味を感じているのか。担当者にじっくり話を聞きました。

「ごみを拾わない」ボランティア。コミュニケーションを楽しみながらごみの分別を広げる

Q1. りんご音楽祭でのエコステーション運営を始めたきっかけを教えてください。

りんご音楽祭のことは、エコステーションの運営を始める前から知っていました。いろいろなフェスで活動していると、ボランティアのみなさんから「りんご音楽祭いいですよ」と教えてもらったり、自然と情報が入ってくるようになります。わたし自身も、長野や松本によく行くので、お声がけいただく前から、プライベートで遊びに行ってみようと思っていたくらい、もともと興味のあるフェスでした。

実際に運営を始めるきっかけになったのは、弊団体の濱中が、数年前までエコステーションの運営で参加していたFFKTで、主催のスリーパーさんや、小山さんたちとご挨拶をさせていただいたことでした。

音楽フェスは、直接の知り合いではなくとも、どこかの現場で偶然お会いしたり、少しずつ関係が広がっていくのが面白いなと思っています。そういう流れの中で、りんご音楽祭ともご縁が繋がっていった感覚があります。

Q2. iPledgeの「ごみゼロナビゲーション」は、”ごみを拾う”のではなく、”来場者が自分で分別できる仕組みをつくる”という考え方が根本にあると理解しています。りんご音楽祭という場で、その考え方を実践する上で大切にしていることを教えてください。

わたしたちは「ごみを拾わない」ボランティアです。わたしたち自身が清掃業者のようになって、誰かがポイ捨てをしたごみを拾い続けるだけでは、その人の行動や意識は、いつまでも変えられないと思っています。だからこそ、「来場者自身が分別したくなる仕組みづくり」を大切にしています。

その考え方を実践する上で大切にしていることは、りんご音楽祭に関わるみなさんとのコミュニケーションです。

わたしたちは、アルバイトでも、運営を取り締まる立場でもなく、ボランティアとしてこの場に参加しています。だからこそ、「分別お願いします」という一言も、命令のようになったり、逆に必要以上にへりくだったりしないように、伝え方を意識しています。

「こんにちは」と声をかけたり、「それどこで買ったんですか?」と雑談をしてみたり。分別と直接関係のない会話だったとしても、そういうコミュニケーションがあることで、ごみ箱という場所自体が、ピースでハッピーな場所になっていく気がしています。

そうすると、ごみを捨てに来た人も自然と分別に参加しやすくなるし、「ちゃんと分けてみようかな」という気持ちを持ってくれます。そしてもちろん、分別をしてくれた「ありがとう」の気持ちも忘れずに、コミュニケーションを楽しみながら活動しています。

「ありがとう」「おつかれさま!」ごみを捨てる瞬間も、フェスの空気の一部に

Q4. フェスという非日常の場で環境活動を行うことに、どんな意義や可能性を感じていますか?

フェスのような非日常の場には、音楽やフード、カルチャーなど、いろんな刺激に溢れていて、いつもとちょっと違う自分になれるような気がします。普段は踊らない人が、踊ってみたり、ファッションを楽しんでみたり、その空間に、自分自身が溶け込んでいくような感覚があって、たった数日間の空間でも、フェスには人の感覚を変える特別なパワーがあると思います。

だからこそ、環境のことを伝える場としても、大きな可能性があると感じています。日常の中で、「分別をやりましょう」「環境問題について考えましょう」と言われると、少し身構えてしまうことでも、フェスの中では、自然に触れられることがあります。

その非日常の場での体験は、日常に戻った後も持ち帰られていきます。「分別を家でもやってみよう」とか、「環境のこと調べてみよう」とか、どんな小さなことでも、フェスでの体験や、わたしたちの発信が、誰かの行動を変えるきっかけになれたらと思っています。

Q5. りんご音楽祭の会場であるアルプス公園は自然豊かな場所ですが、この場所でエコステーションを運営することに、特別な意味を感じることはありますか?

アルプス公園に初めて来たときは、自然が本当に豊かで、空気も気持ちよくて、とても感動しました。この自然の中で開催されるりんご音楽祭で、エコステーションを運営することには、特別な意味があると感じています。

りんご音楽祭は、松本の人たちのこだわりや愛情が詰まった、良い意味で”手づくり”のフェスだと思っています。

DJやヒップホップのようなダンスミュージックもあれば、落ち着いたチルな音楽もあって、その幅広さも魅力です。松本ならではのごはんやフルーツを楽しめたり、休憩時間だけでは回りきれないくらい、会場全体にわくわくが詰まっています。

そんなふうに、自然の豊かさと、たくさんの人の愛情やこだわりが詰まった空間だからこそ、ごみが散乱していたり、ポイ捨てされてしまっていたら、とても悲しく思います。

だからこそ、この場所を楽しむだけではなく、少しだけ環境のことにも目を向けてもらえたら嬉しいです。目の前にある自然や、このフェスをみんなで大切にする気持ちが、ごみの分別や環境への意識につながっていくのではないかと思っています。

「ごみを捨てる人」としてではなく、「一緒にフェスをつくる参加者」として関わってもらうこと。それが、りんご音楽祭でエコステーションを運営する上で、大切にしている感覚のひとつです。

この場所と自然を未来につなぐ。想いに共感する仲間を募集中

Q6. エコステーション運営を支援してくれる企業・団体に期待することや、一緒に取り組むことでどんなことが実現できると思うか、教えてください。

エコステーションの運営は、わたしたちだけでは成り立ちません。りんご音楽祭の運営のみなさまはもちろん、支援してくださる企業や団体のみなさまの力が必要になります。
わたしたちは、ごみを回収することだけを目的に活動しているわけではなく、来場者の方々が環境のことを考えたり、行動したりするきっかけをつくりたいと思っています。企業や団体のみなさまと一緒に取り組むことで、そうした可能性をもっと広げていけると思っています。

また、企業にとっても、こうした活動に関わることには大きな意味があると感じています。社員のみなさまにとっても、普段の業務とは違う視点や価値観に触れ、自分たちの仕事が社会とどうつながっているのかを考えるきっかけになるのではないでしょうか。

ごみを減らすことだけではなく、りんご音楽祭を訪れるみなさまが気持ちよく過ごせる環境をつくり、この場所や自然を未来につないでいくこと。その想いを共有する仲間として、一緒に取り組んでいけたら嬉しいです。

Q7. 「りんご音楽祭2026」に向けて、意気込みや来場者・企業へ伝えたいメッセージがあれば聞かせてください。

りんご音楽祭は、音楽はもちろん、人や地域、食、カルチャーなど、たくさんの魅力が詰まった特別なフェスだと思っています。

わたしたちもエコステーションの運営を通して、来場者のみなさんが気持ちよく過ごせる空間をつくりながら、環境のことにも自然と目を向けてもらえるような場をつくっていきたいと思っています。

来場者のみなさんには、ぜひ思いきり音楽やフェスの雰囲気を楽しんでほしいです。そして、ごみを捨てるときには少しだけ立ち止まって、「自分もこのフェスをつくる一人なんだ」と感じてもらえたら嬉しいです。

また、企業や団体のみなさんには、支援という形だけではなく、この場を一緒につくる仲間として関わっていただけたらと思っています。

2026年も、りんご音楽祭に関わるみなさんと一緒に、気持ちよく、楽しくフェスをつくっていきたいです。今年だけでなく、来年、再来年と続きますように。アルプス公園でお会いできるのを楽しみにしています。

エコステーション運営のスポンサー企業・事業者様を募集中!

りんご音楽祭2026では、エコステーション運営のスポンサー企業・事業者様を募集しています。

この取り組みへの共感や、ご協力いただける可能性がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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