【りんご通信vol.1】一年の終わりとはじまりのゴーゴーアワード(風音)
毎週更新!りんご音楽祭の広報チームによるコラム連載「りんご通信」では、りんご音楽祭のリアルな裏側や、りんご音楽祭の開催地である長野で暮らすメンバーの日常をお届けします。
高速バスに乗って長野から新宿へ、そして下北沢へ。今日はりんごのオーディションライブ「ゴーゴーアワード」がある。古着屋さんの間を抜けて、会場のTHREEに向かう。
りんごのオーディションライブ、ゴーゴーアワード授賞式の司会進行とライブレポートの執筆を任されるようになって3年目。オーディションと聞くと、最初はもっとピリピリした場を想像したんだけど。ゴーゴーアワードは毎年とてもあたたかい。
まずシンプルにライブとしてすごくいい!ちょっぴりシャキッとした緊張感、ジャンルが全く異なるそれぞれ粒ぞろいのアーティストの渾身の演奏。音楽への愛に溢れた空間。18時半にライブがスタートして、表書式は23時からとなかなかの長丁場なのに本当にあっという間に感じます。
オーディションライブは一般公開されていて、グランプリは審査員を含めた当日の来場者の投票で決まる。一人2票投票できる仕組みなので、たとえば推しのアーティストを応援に来た人でも、プラスもう一人に投票することになる。毎年結果が全然読めない。
さっきまでバチバチにかっこいいライブをしていたアーティストの人たちが、「確定申告やらなきゃ」と話している。オープン直後から、フロアで一番身体を揺らし、拍手を贈り、声を上げていた人がステージに上がる。この人、演者だったのかと驚く。審査員の方々から、「みんな優勝だよ」「完成度で言ったら全然選べない」「毎年レベル高いけど今年は特にやばいね」と、審査に悩みながらもどこかうれしそうでわくわくした声が聞こえる。表彰式では、アーティストも審査員もみんなバーカウンターにいて、なかなか集まってこない。
りんごの仕事をするようになるまで、ステージの上で音楽やる人って全然別世界の人だと思っていたけど、当たり前だけどみんな日々生活しながら、その上で好きな音楽を突き詰めているんだなぁと思う。
りんごの仕事をするようになって、ライブハウスへ行く回数がぐっと増えた。仕事のためではなく、自主的に。それはゴーゴーアワードの影響が大きい。ゴーゴーアワードに出るアーティストは、デビュー間もなかったり、ゴーゴーが初ライブだったりして、オーディションを観て「もっと聴きたい!」と調べても、サブスクに音源があまりないことが多い。だから、また聴きたくなったらライブに行くのだ。毎年、こうしてゴーゴーアワードがきっかけでファンになったアーティストが増えていく。グランプリを決めるファイナルライブなわけだけど、むしろここから始まる何かを感じる。
りんごの仕事は毎年大変で、やれやれと一息ついた頃にゴーゴーアワードがある。「今年も始まるのか〜」と思いながらライブを観る。と、ライブハウスなのに、ぶわっとあのアルプス公演の草原と、空と、その向こうの山脈、風が浮かんで、「あぁりんごのステージで聴いたら最高だろうな」と思う。客席で気持ちよさそうに揺れる人たちのいい表情。新しい年の幕開けであるレポートを書き切るころには、「今年もまた頑張ろう」という気持ちになってしまう。
