オーディションライブから紡がれる新しい出会い「ゴーゴーアワード2025-あなたが投票!グランプリは誰の手に?-」【ライブレポート】

りんご音楽祭は、全国各地のフレッシュな才能にスポットライトを当てるため全国各地のライブハウスでライブオーディション「RINGOOO A GO-GO」を開催しています。
2025年3月14日(金)に、下北沢のライブハウス「THREE」にて2024年度のグランプリを決定するライブショーケース「ゴーゴーアワード」が開催されました。
RINGOOO A GO-GO 2024より、「りんご音楽祭2024」に出演を果たしたのは15組。
りんご音楽祭2024出演時のライブ映像をもとに特別賞協賛関係者による事前投票が行われ、ゴーゴーアワード当日はそれにより選出された得票上位6組のアーティストがステージに立ちました。
▽出演アーティスト(出演順)
パコ・デ・ラシコ
Split end
HUGEN
安次嶺希和子
6 mab
Manda
数多くの特別協賛関係者や来場者が見守る中で、見事グランプリに輝いたのは安次嶺希和子(あしみねきわこ)。

加えて、多種多様な特別協賛関係者より20種類以上の特別賞が出演アーティストに贈呈されました。当日の様子をレポートします。
事前投票を通過した6組のアーティストが「下北沢THREE」に集結
事前投票は特別賞協賛関係者のみによって行われますが、ゴーゴーアワードは一般公開もされており、審査員・来場者全員の投票得票数によってグランプリが決定します。アーティストに与えられた時間は1組15分間。ライブ当日は、あみだくじにより出演順が決定し、りんご音楽祭主催の古川陽介より出演順が発表されます。
トップバッターを務めたのは、福岡出身の二人組音楽団体パコ・デ・ラシコ。

サポートメンバーを迎えたバンドセットによる演奏。ツインボーカルの伸びやかでエモーショナルなハーモニーが会場を包みました。会場の温度が徐々に上がり、審査員や出演者を含む観客たちは気持ちよく身体を揺らします。

パコ・デ・ラシコ
東京を拠点として活動する2人組音楽団体。2つのギターボーカルの真ん中にフィンガードラムが入り込むという編成で、見事なシンメトリーを成した立ち位置が話題を呼んでいる。
2017年に福岡で結成。
二組目は、奈良出身のオルタナティブ・ロックバンドSplit end。

轟音のギターと分厚いサウンドで会場の空気をガラリと一変。「皆さんを、深い深い海の底へお連れしたいと思います」というMCに続き、骨太ながらも浮遊感のあるサウンドで観客を幻想的な世界へと誘いました。

Split end
奈良出身のオルタナティヴ・ロックバンド。シューゲイズ漂う分厚いオルタナティヴ・サウンドに乗せ、透明感のある声で、優しく温かく、愛を歌う。
続いて3組目のアーティストは、ボーカルTPSOUNDを中心とした音楽プロジェクトHUGEN。

エレクトロミュージックに乗せた牧歌的で伸びやかな歌声と、ベース、パーカッション、サックスが奏でる響き。民謡のようなリズムとグルーヴに誘われて、観客はみな自由に手拍子をしたり身体を揺らしたりと祭りの空気を楽しみました。

HUGEN
ボーカルTPSOUNDを中心とした音楽プロジェクト。エレクトロミュージックを基軸に、民族音楽や民謡などを掛け合わせたオルタナティブな楽曲を展開する。
Vo:TPSOUND Per:ミ兵chi Ba:久津間俊平 Sax:谷崎健太
あっという間に演奏は折り返しに。合間の転換時間には、審査員席から「今年もすごくレベルが高いね。完成度で選ぼうとするとみんなすごく良いから、ここまでくると好みの話になってくるね」「素晴らしいね、みんな優勝だよ」と審査に困りながらもうれしそうな声が聞こえてきます。
四組目は沖縄出身のシンガーソングライター安次嶺希和子。

キーボーディストのSWING-Oを迎えたセッションを織り交ぜ、指先の動きや表情、呼吸ひとつまで作り込まれた芸術的なステージングと、透明感のある歌声で観客を魅了しました。
MCでは「音楽が好きな人たちに囲まれて歌えるのがとても幸せ。楽しんでいきましょう」と飾らない笑顔を見せました。

安次嶺希和子
自身で作詞・作曲・編曲を手がける、沖縄出身シンガーソングライター。大規模音楽コンテストでグランプリを受賞する等、高い評価を得ている。一度聴くと耳に残る透明感ある歌声、芸術性の高いサウンド、圧倒的なライブパフォーマンスで見るものを魅了する、大注目のアーティスト。
5組目は、福岡に拠点を置くポップトリオ6 mab。

ミニマルで繊細な音づくりと、漂うような甘美な歌声の響き。バンドサウンドだけでなく、打ち込みやシンセサイザーが織り成す、無機質なようでどこかあたたかく透明感のあるサウンドがじわじわと会場を満たします。

6 mab
福岡に拠点を置くポップトリオ。シンプルでありながら豊かさを感じさせる音色と歌声、3ピースの枠にとらわれないその自由な発想は、空間を漂うような新しい⾳楽性を⽣み出している。
トリを務めたのは、横浜・東京を拠点に活動するManda。

エスニックでありながら、どこか懐かしさが漂うサウンド。静と動が入り混じるソウルフルな演奏により会場の熱気は最高潮に。会場中をうねるような圧倒的なグルーブが生まれました。

Manda
“Manda”とは本質を有するものの意、真理をあらわすもの。日本語では醍醐といい発酵の最上級、これ以上ないという例えとして使われる。2022年、大学のジャズサークルのメンバーで結成。横浜・東京を中心に活動中。メンバーそれぞれが異なる風土・文化のアイデンティティを持ちながら、日本で育つ。ソウルフルで攻撃的なソロと、エスニックでありながら境界のないグルーヴを得意とする。それとは対照的に、社会/他者との接続を憂う静的な歌詞が特徴。5月に3rd Single 「What Do You Mean」をリリース。
各審査員から、バラエティー豊かな特別賞の授与
6組の演奏が終わり、いよいよ投票の時間です。投票時間は約15分。ゴーゴーアワードは、全アーティストのライブ演奏終了後、1人が2組に投票ができる仕組みとなっており、得票数が一番多いアーティストがグランプリに選ばれます。

投票時間終了後はステージ前に全出演者・審査員と観客が集まり、いよいよ表彰式が始まります。まずは、りんご音楽祭主催の古川陽介から挨拶が。

オーディションの募集が開始された昨年3月から、数ある応募者や会場となるライブハウス、音楽関係者とあらゆる人たちを巻き込み、約一年かけて毎年動き続けているこの企画。
古川は、「自分は本当は何が好きなのか、誰に残ってほしいのか、どのライブハウスに潰れてほしくないのか。僕は、たまには『選ぶ』ことを意識的にしてもいいんじゃないかと思っています。みんな、好きなバンドを選んで、好きなハコで遊んでいっぱいお金を落としていってほしい。それがあなたの一票になります。今日はそれを明確に形にして、未来へ続けていけたら。ハードな時代ですが、今後ともよろしくお願いします」と語り、会場に集まった人々に感謝を述べました。
続いて、特別賞の発表が行われます。音楽関係者、りんご音楽祭運営チームなど、各地から集まった10名の審査員が一人ずつ壇上に上がり、アーティストに特別賞を授与していきます。

賞の内容は、音源配信サポート、ライブ制作サポート、各種プレイガイドによるサポートや、ライブ会場使用権のほか、イベント出演権、フライヤーデザイン、アーティスト写真やライブの撮影、ミュージックビデオの作成など多種多様です。

ほかにも、ドリンクチケットやアート関連の書籍のプレゼント、飲み放題券など、様々な方面からアーティストの今後の活動を支え、共に盛り上げるために用意された特別賞となっています。

それぞれの審査員からは「全アーティストに賞をあげたいくらい良かった」「ゴーゴーアワードは毎年審査が難しいけれど、今年は過去一かも」と、レベルの高い演奏を披露した出演アーティストへの労いと、今後への期待を込めた応援のメッセージが贈られました。

選ばれたアーティストは、それぞれ歓声を上げたり、メンバーの肩を叩きあったり、審査員からの言葉を受けて涙ぐんだりと全身で喜びを受け止め、会場はあたたかい空気に包まれました。
いよいよグランプリの発表!ここから紡がれる未来への期待
最後にいよいよグランプリの発表です。
2024年度のゴーゴーアワードのグランプリは、51名の投票者のうち25票を獲得した安次嶺希和子に贈られました。

グランプリには下記の特典が贈られます。
【グランプリ特典】
・当日のギャランティー総取り
・りんご音楽祭2025第一弾ブッキングオファー
・長野にちなんだグッズ詰め合わせ
また、当日会場に来られなかった審査員たちによる11の特別賞も、すべてグランプリへと贈られました。

受賞のスピーチでは、「歌い始めてから10年、『前に進んでみようかな』と勇気を出してりんご音楽祭のオーディションに参加しました。りんご音楽祭に関わる人たちはみんな音楽が好きで、そんな中で歌えてとても幸せでしたし、こうして皆さまから賞をいただけてとてもうれしいです。そして何より、ここで出会ったみんなと『一緒にコラボしよう』『今度ライブをしてみない?』と誘い合えること、ここから紡がれる関係性に本当に価値を感じました。」と、歌う喜びに溢れた笑顔を見せました。

また、第二位は20票を獲得したManda。

第三位には、14票を獲得したHUGENが選ばれました。

表彰式後も、会場内の興奮は冷めやらず、出演者や審査員、りんご音楽祭関係者が立場を超えて入り混じって乾杯し合い、互いを称え合いました。
早速「今度一緒にライブをしよう」「次のライブはいつ?観に行きたい!」「次はどんな曲を作りたいの?」と次のステージや企画へつながる会話も弾み、長い夜は続きます。
「RINGOOO-A-GO-GO 2024」の締めくくりとなったステージですが、ここからさらに新しい縁や音楽が続いていく明るい希望に満ちた一日となりました。ご出演いただいた出演者の皆様、多大なるご協力いただきました音楽業界関係者の皆様、本当にありがとうございました。
出演アーティストからのコメント(出演順)
パコ・デ・ラシコ

受賞した賞
・なんでもやりま賞
りんご音楽祭2024出演時の感想
雄大な自然の中で初めての野外ライブ、開放感あふれる空間での演奏、メンバー一同深く心に刻まれております。
ゴーゴーアワードを終えて
約1年間、「りんご音楽祭2024」に予選からゴーゴーアワードまで関われたことを誇らしく思っております。私たちを発見してくださったお客様、共演者の方々、スタッフの方々、全ての方との出会いに感謝。
これからの音楽活動への意気込み
焦らず、着実に。歩みを進めます。
Split end

受賞した賞
・イープラス賞
・りんごフォトグラファーズ賞
りんご音楽祭2024出演時の感想
りんご音楽祭の会場につくと、演者もお客さんも全員がウキウキしていて、キャンプを楽しんだり、合宿のような雰囲気もあり、この中で音楽を鳴らせることをとても嬉しく思いました!ここにいる全ての人が本当に音楽が好きなんだなと実感しました。本番は、野外で爆音を鳴らせる喜びや嬉しさが込み上げてきて、このままずっと終わりたくないなという気持ちでいっぱいでした。
ゴーゴーアワードを終えて
審査員のみなさんも仰っておりましたが、今年のゴーゴーアワードは全アーティストさんが上手すぎて、それぞれの良さを持っていて、私自身でも甲乙つけ難いと思っていましたが、その中で2つも特別賞をいただけて本当に嬉しかったです! また、いただいた賞は特に今の私たちに必要な2つの賞だったかなと思うのでとてもありがたいです。
これからの音楽活動への意気込み
素晴らしいアーティストさんたちの中に仲間入りできたことを誇りに思い、今後もSplit endにしかできない音楽を、芯を持って続けていきたいなと思います!
毎年奈良でOTONOUMIFESというイベントをやっているのですが、りんご音楽祭のような素敵なイベントにも負けないようなものにしていきたいです!
HUGEN

受賞した賞
・THREE賞
・パルコ賞
りんご音楽祭2024の感想
HUGENにとって初のフェス出演だったのですが、最高の舞台、最高の思い出です。
ゴーゴーアワードを終えて
ありがとうございました!最高でした。
会場全体でひとつのグルーヴが出来ていて、とても素敵な音楽イベントだなと感じました。
これからの音楽活動への意気込み
今のチームで楽しく、各々の生活を大事にしながら、夢は大きく、やれる事は全てやる。最高の音楽をやりながら、かけ上がれるところまで進んでいこうと思っています。
安次嶺希和子

受賞した賞
・月見ル賞
・RAD ENTERTAINMENT賞
・渋谷La.mama石塚賞
・ALIVE特別賞
・HABUSH賞
・はまこ賞
・CNプレイガイド賞
・Peatix賞
・Spincoaster賞
・渋谷花魁 カワムラユキ賞
・FM長野賞
・松本メーヤウ賞
りんご音楽祭2024出演時の感想
ご縁あってここ数年は長野の地に訪れる機会が何度もありました。実はMVの撮影地としてもお世話になっているんです。白樺が美しい真冬の雪山、散歩道に流れる透き通った水、美味しいお蕎麦や涼しい気候、訪れるたびに惹かれていきます。そんな長野の地で、しかも思い馳せていたりんご音楽祭のステージで、更にバンドメンバーと共に今歌っていることが幸せすぎる!といった具合にステージを噛み締めていました。
ゴーゴーアワードを終えて
選出して頂けたことがまず凄く嬉しかったです。
15分という一瞬の中で、新しい課題も生まれつつ私が私として表現できる究極で最高のセットを組めたと思いますし、今でも思い出すだけであの時間の熱が蘇ってきます。特にキーボーディストのSWING-Oさんとのセッションは至高でした。
あの場で鳴っていた全ての音楽に背中を押され、自分が信じる自身の表現をこのまま追及していきたいという気持ちが膨らみました。
これからの音楽活動への意気込み
歌う事で感じる、まるで全ての感覚が研ぎ澄まされているような状態に私は魅せられています。
この感覚や感動を見る人聴く人にも伝えて、空間ごとそれが出来るように精進します。
その為に、上に重なってしまいますが自分が信じる自身の表現や感性をこのまま追及していきます。
6 mab

受賞した賞
・BIG UP!賞
・RUBYROOM賞
りんご音楽祭2024出演時の感想
アルプス公園の至る所から多種多様な音楽が聴こえてきて、ゆっくりとした時間が流れていました。その中の一部になれたことに言い知れない高揚感があり忘れられません。本当に貴重な機会を頂けたと思っております。
ゴーゴーアワードを終えて
各地の洗練された音楽家の皆さんを目の当たりにできて、とても刺激的な夜でした。
僕らも、僕らなりの物をもっと磨き上げていきたいなと感じました。お酒が美味しかったです。
これからの音楽活動への意気込み
もっと曲を書いて、もう少し名を広めたいです。
Manda

受賞した賞
・ライブ映像収録チーム賞
・カーリーレコード賞
りんご音楽祭2024出演時の感想
Mandaが初めて出演した野外フェスティバル。アルプス公園の空気がとても気持ちよく、会場の雰囲気も素敵でした。
長野まで私たちを応援しに来てくれた友人やファンの方々をステージから見て胸がいっぱいになりました。ステージを見てくれた方々、制作していただいたスタッフの皆様に感謝申し上げます。
ゴーゴーアワードを終えて
同世代の素敵なバンドにたくさん出会えたゴーゴーアワードに感謝します。
Mandaは惜しくも2位でしたが、私たちの盟友、安次嶺希和子の優勝を何よりも嬉しく思います。
賞に関係なく素晴らしい一夜でした。pow pow pow!
これからの音楽活動への意気込み
進まざるものは必ず退き、退かざるものは必ず進む。独立自尊の精神を育み実践していくのみ。
ゴーゴーアワードへの特別協力
Red Bull Japan(楽屋ドリンク提供)
丸山風音(授賞式司会&ライブレポート)
Katsuki Abe、折井康弘(ライブ&授賞式撮影)
■イベント詳細■
りんご音楽祭 presents「 ゴーゴーアワード」
【日時】 2025年3月14日(金)OPEN18:00/START18:30
【場所】 下北沢 THREE
【参加費】 ¥2000(当日券のみ・ドリンク別)
【出演】
Manda
安次嶺希和子
Split end
パコ・デ・ラシコ
6 mab
HUGEN
【グランプリ特典】
・りんご音楽祭2025の第1弾ブッキングオファー。
・当日のバックギャランティー総取り。(500円×お客さんの数)
・その他、長野県にちなんだ副賞プレゼント
▽「りんご音楽祭2024」出演時のライブ映像はコチラ!
▽ライブオーディション「RINGOOO A GO-GO 2025」開催概要はコチラ!