りんごMAGAZINE

【わたしたちのりんご音楽祭】りんごは、会場に着く前からもう始まってる「街ごと勝手に巻き込んじゃったフェス」!

駅で、カフェで、タクシーで。松本の街ぐるみのフェス。

初めてりんご音楽祭に行ったのは2019年です。大学一年生の時でした。大学で音楽好きな友達ができて、フェスに行ってみたいって話をしたらりんごのことを教えてくれたんです。当時は知ってるアーティストがほぼいなくて、友達が「この日いけばいいんじゃない?」っておすすめしてくれた日に行きました。その時は、単純に「音楽フェス」として楽しんで帰ってきたんですよ。コロナも落ち着いて、就活を終えて、今年はいくぞ!って3年ぶりにりんごに行ってみたら、「あれ、これってもしかしてすごいフェスなんじゃないか?」って気づいて。

まず、りんごって「街ごと勝手に巻き込んじゃったフェス」じゃないですか。当日の朝、松本駅についてすぐ駅のスタバに行ったんですよ。そしたら、店員さんが俺の服装を見て「今からりんごですか?いいなー!私もほんとは行きたかったんです。いってらっしゃい!」って話しかけてくれて。駅って、街の玄関口じゃないですか。会場につく前から、もうりんごが始まってるんです。

他にも、タクシーの運転手さんに「今年は3年ぶりに大規模な開催だから、お客さんからりんごの話聞けるのが嬉しいんだよ。はっちゃけてきな!」って言われたり、フェス終わりに行ったご飯屋さんの店員さんにも「りんごどうでした?」って話しかけられたり。街ぐるみで、フェスに行ってきた人たち、帰ってきた人たちを歓迎してる感があって。街ぐるみのフェスを、俺が他に知らないだけかもしれないですけど、「この街でやる」っていう運営の願いが、街の人に伝わってるのがすごいなぁって。

フェス=「祭り」。ただそこにいるだけでも楽しめる。

それから、フェスがフェスだった! フェスって、「祭り」って意味じゃないですか。でも、いわゆる夏フェスとかって、音楽メインになってる。音楽を聴いて、グッズを買って盛り上がる「音楽イベント」というか。自分が学生だからかもしれないですけど、チケット代って安い買い物ではないじゃないですか。「音楽フェス」だと、とにかく朝から晩まで最前列で聴かないと勿体無い気がしちゃうんです。

でも、りんご音楽祭はみんなほのぼのしてる感じが心地よかったです。チケットの元を取ろうって空気が全然ない。りんごは「祭り」なんです。地元のお祭りとかって、その場の空気が楽しくて行くじゃないですか。それと同じで、りんごは最前列で聴かなくても、後ろの方に座って、ノってる人たちを見るのも楽しいし、話しながら会場を歩いてるだけでもおもろい。屋台のご飯を食べるだけでも楽しいし、寝てる人すら楽しそう……。なんていうか、「自分たちが好きなもの集めちゃいました!自分に当てはまるものがあったら楽しんでくださいフェス」って感じ。

多分、2019年からすごいフェスだったとは思うんですけど、大学一年生の俺にはまだそれがわかる感受性が足りてなかったんですよね。大学生活四年間を経て、りんごのすごさに気づけるようになりました。春から上京して社会人になるんですが、働き始めたらまた違う視点でりんごの魅力に気づけるのかな。

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