りんごMAGAZINE

【りんごよりみち】「みんな違うから面白い!私は私のままでいい」〜DJおかめと歩く松本〜

 野外音楽フェスなのに、「街」に近いフェス、りんご音楽祭。りんごをきっかけに松本を訪れる人たちに、松本の街をもっともっと楽しんでもらうための本連載「りんごよりみち」。松本在住のりんご音楽祭出演アーティストと一緒に松本の街を歩きます。

DJおかめ 情念、情熱、昭和歌謡DJ。長野県松本市を中心に活動中。瓦RECORDにて昭和のレコードオンリーイベント「昭和ラブ♡」を開催。

 第7回のゲストは、松本市を拠点に昭和歌謡DJとして活動するDJおかめさん。「松本での人との出会いが自分を大きく成長させてくれた」と語るおかめさんと、松本の街を歩きました。

①掘り出し物があるかも?骨董品屋「佐藤商会」

おかめさん こんにちは〜! 今日はよろしくお願いします。まずは、私がよく行く縄手通りの骨董品屋さん「佐藤商会」を紹介しますね。掘り出し物を探すのが楽しいんです。

――縄手通りはよく来るけれど、このお店は入ったことがなかったです。おかめさんはいつもここで何を買うんですか?

おかめさん つい先日は陶器の花瓶を買いました。人形や置物を買うこともあるし、今日着ているブラウスもここで買ったんですよ。ここのお母ちゃんが、おしゃれでかわいい人で。

佐藤商会 秀子さん あら、こんにちは。

おかめさん あ、おかあちゃん! 今日のお洋服は黄色なんだね、いい色!今日もかわいいね。

佐藤商会 秀子さん ちょっと見てごらん、あなたに似合いそうなジャケットが入ったんだよ。

おかめさん どれどれ? あ、ほんとだ、きれいな色だね。肩パッドを外せば着られるかも……。

佐藤商会 秀子さん 昔の服は全部肩パットが入っていたからねぇ。私の時代は、自分でさらに肩パッドを縫い足していたこともあったんだよ。4枚くらい重ねてね。肩が盛り上がっている方がかっこよかったんだから。

――おかめさんの昭和ファッションは、こういうところから仕入れていたんですね。

おかめさん 昔の服って、デザインがかっこいいし、素材や作りが良いんですよね。肩パッドは外しちゃうけど(笑)。

佐藤商会 秀子さん 中も見てごらん、いろいろありますよ。

――服から雑貨、お皿やお人形までいろんな商品がありますね。仕入れはどこから?

佐藤商会 秀子さん 骨董品の市場から仕入れてくるんだよ。もともとは自宅で骨董品屋をしていたんだけどね、人通りがなくてなかなかお客さんがこないから、20年くらい前に縄手通りに移ってきたんだよ。ここなら観光客も地元の人もたくさん来るからね。

おかめさん これだけ物で溢れているのに、商品がまったく埃を被っていないんですよ。いつ来ても新しいものが増えているから、商品の入れ替わりが早いんだろうなぁ。あっ、これかわいい! お母ちゃ〜ん! この椿の花の置物はおいくら?

佐藤商会 秀子さん どれどれ……。それは2000円だね。

おかめさん かわいいなぁ。どうしよう。前に気になっていた鶴の人形、悩んでいるうちにいつの間にか売れちゃったもんね。

佐藤商会 秀子さん 海外の観光客のお客さんが多いからね、人形は結構人気だね。

おかめさん う〜ん。またゆっくりくるね。お母ちゃん、ありがとう!

佐藤商会 秀子さん は〜い。またいつでもおいでね。

――置物やお人形は自分のお部屋に?

おかめさん そうです! 私、すっごく出不精で、インドアな人間なんです。自分のお部屋がこの世で一番好きな空間だから、お部屋づくりにはかなりこだわっています。

――お部屋の写真を見せていただいてもいいですか? 

おかめさん いいですよ!ちょっと恥ずかしいけど……。

――えっ、これがご自宅なんですか? すごい世界観!

おかめさん 古いものが好きな上に収集癖があるから、いろいろと集めちゃうんですよね。古いものが好きで収集癖があるって、世の中の流れとは完全に逆行しているけれど、私は「無駄」を愛することこそが人生において大事だと思うんです。

いわゆるミニマリストの人たちは物を減らすことで落ち着くわけで、私は好きな物に囲まれていると安心する。真逆な考え方のようで、根本は「自分は何が心地いいか」を突き詰めることが大事な気がします。

②何時間でもおしゃべりできちゃう居心地の良さ、喫茶店「信濃館」

おかめさん 「信濃館」は、松本で一番大好きな喫茶店です! お腹空いちゃった、ご飯を食べてもいいですか?

――どうぞどうぞ。いつも何を注文するんですか?

おかめさん 夏はアイスコーヒーとチキンカツカレーが定番ですね。ここのカレー、ボリュームがあってすっごくおいしいんですよ。食事系だとピラフ、サンドイッチ、パスタもあるし、デザートにはワッフルとかパフェもあります。パフェ、すごいですよ。生クリームがもりもりなんです。それから、「信濃館」はママが最高なんですよ。

信濃館のママ は〜い、お待たせしました。ご注文は?

おかめさん チキンカツカレーとアイスコーヒー! ママ、このお店は何年くらいやってるの?

信濃館のママ 結構長いよ〜。もう100年くらいかな。

おかめさん (笑)。

信濃館のママ ほんとはね、43年くらいだね。私が4歳の時からやってるお店だから。

おかめさん (笑)。ママ、おちゃめでかわいいでしょう? 何回も通って顔を覚えてもらってからは、小ネタをぶっこんできたり、「今日もかわいいね」ってたくさん褒めてくれたりして、ママと話すだけで気分がアガるんです。最高ですね。

それに、ママはどれだけ長居しても嫌な顔一つせずに受け入れてくれるんです。「信濃館」は朝10時から夜の22時まで空いているので、ゆっくりしたい時やおしゃべりしたい時にいつでもどのタイミングでもフラッと来られます。

――喫茶店でそれだけ長く営業しているのはありがたいですね。

おかめさん そうなんです! 女の子同士のおしゃべりって、オチがないというか、とりあえず言いたいことを延々と言い合うじゃないですか。でもそれでいいし、それがいいんですよね。「信濃館」には、そういうおしゃべりを全部許してくれる空気があるんです。

それに、「信濃館」は窓が広くて、すごく日当たりがいいんです。私はここ数年ずっと飲食店で働いているんですが、厨房にいるとなかなか日に当たる機会がないから、太陽を浴びるためにここに来ているくらいです。友達と話しながらコーヒーを飲んでいると、体と心が生き返る気がするんですよ。居心地がよくて、つい長居しちゃう。

――時間がゆったり流れている感じがしますね。

おかめさん 喫茶店っていいですよね。ご飯屋さんでもあるし、コーヒーも飲めるし、おしゃべりもできる。音楽イベントだってできるし、いろんな顔を持っているというか。飲食業も接客業も好きだから、最終的には「信濃館」みたいに、いろんな人が集まる喫茶店を自分で開くことに憧れているんです。

③松本のパワースポット!「マグナムバディーズ」

おかめさん もう一つのおすすめスポット、どこを案内しようか迷ったんですが……。私、本当に出不精で、基本的にいつも家にいるんです。私にとっての「パワースポット」って、松本の「場所」というより「人」かも!と思って。だから、パワースポット的存在の友達をひとり紹介させてください。

―――なるほど。たしかに、「佐藤商会」のお母さんも「信濃館」のママもパワフルでしたね。

おかめさん そうなんです! あっ、来た来た!パウラ〜!

パウラさん おつかれおつかれ〜! 今日って何の会なの?

おかめさん 松本の案内をしているんだけど、私にとってのパワースポットってやっぱり松本の「人」だなぁと思って、松本の太陽みたいなパウラを紹介しようと思ったの! パウラは松本で活動しているデザイナーで、りんご音楽祭のデザインも担当しているんですよ。

パウラさん なるほどね! なんか緊張しちゃう〜!

――あれ、お二人が並ぶと、どこかで見たことがあるような……。

おかめさん あっ、もしかしたらポスターを見たことがあるのかな。私たち、「マグナムバディーズ」って架空のアイドルユニットを結成していて。

パウラさん 活動は何もしてないんだけどね(笑)。気合いの入ったポスターをたくさん刷ったもんね。

――なんのユニットなんだろうと思っていたんですが、架空のアイドルだったんですね。お二人は、いつから仲がいいんですか? 

おかめさん もう6年くらい……? パウラは、松本で一番付き合いの長い友達かも。私がDJをするようになってから、松本のパーティーで初めて出会ったんだっけ。

パウラさん そうそう。そのあとの打ち上げでみんなで韓国料理屋さんに行って、マッコリをめちゃくちゃ飲んだんだよ。二人とも酔っ払って、夜中に外で寝転がってずっとおしゃべりしたよね。

おかめさん したした!(笑) 私もパウラもシャイだから、明るく振る舞ってはいてもなかなか自分の深い部分は出せないタイプなんです。でも、あの日はかなり深い話ができて、一気に仲良くなれたんだよね。

パウラさん あのマッコリがなかったら、「マグナムバディーズ」も生まれなかったかも。世の中の風潮的に、マグナムな女の子ってあんまり好かれない時もあるけど、松本だとみんながかわいがってくれるよね。

おかめさん そうそう。でも、最近やっと日本の美意識が変わりつつある気がするよね。「健康的な体っていいじゃん!」って流れに変わってきて、「細くなきゃダメ」みたいな偏った感じは薄くなってきた気がする。

パウラさん あと何年かして時代が私たちに追いついてきたら、「マグナムバディーズ」のポスターもいつかプレミアがつくかもね!

④松本の音楽好きが集まる「SONIC」

おかめさん 最後に案内するのは、DJとしても人としても私を育ててくれた場所の一つ、「SONIC」です。

SONIC 卓郎さん おっ、来たね〜。こんにちは!

おかめさん&パウラさん こんにちは〜!

――こんにちは。いろんなフライヤーが貼ってありますね。ここはライブハウスですか?

SONIC 卓郎さん 「SONIC」は、ライブハウスでありクラブでありバーであり、リハーサルスタジオでもあります。この建物自体はもともとライブハウスで、「SONIC」になってからはもう20年以上営業しています。松本の音楽界隈の中でも、同じ場所で営業し続けている中では結構古いんじゃないかな。

パーティーやイベントがない時は、5時くらいからバー営業をしつつ、スタジオ貸しをしています。りんご音楽祭が近くなると、松本のアーティストが結構練習に来ますよ。

――おかめさんもよくここにDJの練習に?

おかめさん スタジオを使いに来る時もあるけど、ただ卓郎さんに話を聞いてもらいに来ることが多いですね。卓郎さんはどんな時も「うんうん」って笑顔で話を聞いてくれるので、心の支えです。

それに、卓郎さんは人と人を繋げるのが上手なんですよ。よく、RPGのゲームで街について最初に案内してくれるキャラクターっているじゃないですか。松本において、卓郎さんはそういう存在だと思います。

パウラさん それすごくわかる! 松本に引っ越してきたばかりの子とか、最近音楽をはじめたばっかりの人、友達がほしい、みたいな子たちを、「この子なら合うんじゃないかな?」って松本の人たちと繋げてくれるよね。

SONIC卓郎さん 「SONIC」は、開催しているイベントの幅がとにかく広いんです。ロック、ハウス、テクノから、邦楽オンリー、平成ノスタルジー、アニソン、ボカロ……。絶対誰かしらになにかひっかかるものがあるはず。「SONIC」といえばこれ!みたいな特色がないことが、逆に特色かもしれないですね。

おかめさん 私は、DJおかめとして「SONIC」と「瓦RECORD」(※2024年6月末に閉店したパーティーハウス)に育ててもらったんです。まだまだへたっぴだったころから、「昭和歌謡DJ、いいじゃん! やってみなよ」とたくさん背中を押してもらって。これからもこういうあったかい場所がずっと松本の街にあり続けてほしいなぁ。

昔から古いものに惹かれていたというおかめさんは、20代で昭和歌謡に出会ったことからDJとして活動を始めました。りんご音楽祭にもDJとして出演しているおかめさん。「人の目を見て話せなかった」という高校時代から、DJデビューをし、ステージに立つようになるまでの背景を聞きました。

音楽に対して「受け身」だった時代を経て、昭和歌謡をきっかけに松本のDJたちに出会う

――おかめさんは、いつから昭和歌謡や骨董品などの「昔のもの」に惹かれるようになったんですか?

おかめさん 中学生ぐらいかなぁ。気づいたら、なぜか昔のものが好きでした。どうして好きなのかは今でもうまく言語化できないです。身体が自然と昔からあるものを求めている感じ……。中高校生の時は古典が好きで、古典の先生になりたいと思っていました。その次はアメリカのヴィンテージにハマって古着を買うようになって、そこから骨董品にも手を出し始めました。

――今一番好きな「古いもの」はなんですか?

おかめさん 今一番好きなのはレコードです。DJを始めた頃はCDを使っていたんですが、DJの先輩にレコードを勧められてからまんまとレコードの魅力にハマっていきました。同じ曲でも、レコードで聴くと音がピュアでまぁるく感じるんですよ。デジタルの音源やCDで聴くのとは全然違います。

――おかめさんは、現在はレコードを使ってDJをしていますよね。DJデビューに至るまではどんな経緯が?

おかめさん 松本のパーティーに顔を出すようになって、「昭和歌謡が好きなら、自分でもDJをやってみたら?」と誘われたのがDJデビューのきっかけです。

昭和歌謡に興味を持ち始めた頃は、Youtubeで動画を見ているだけでした。DJのことも、クラブカルチャーも全く知らなかったです。そもそも、私の世代の人たちって、DJまでいかなくても、みんな当たり前に音楽のサブスクを使って自分の好きなプレイリストを作っていると思うんですが、私の育った家庭はあんまり音楽に興味がなくて、そういう概念がなかったんです。

――当時のおかめさんにとっての「音楽」とは?

おかめさん 中高生の頃は吹奏楽部だったので、音楽=「コンサートに聴きにいく」ものだと思っていて、あくまで受け身だったんです。だから、友人からDJの話を聞いた時は衝撃を受けました。「自分の好きな曲を、好きなように人前でかける人たちがいるんだ!なにそれ!?」って。

DJをする上で一番大事なのは「いい音楽をかける」ことよりも「こんなにいい音楽があるんだよ!」と伝える気持ち

――「好きな音楽をかける」ことから始まったDJデビューだったのですね。デビュー後から現在まで、選曲に変化はありますか?

おかめさん 最初は、「みんなが知っている曲をかけた方が楽しいのかな?」と思って、昭和歌謡の中でも誰もがよく耳にする様なヒットチューンを中心にかけていました。でも、いろいろなパーティーを経験する中で、DJにとって一番大事なのは「いい音楽をかける」よりも「こんなにいい音楽があるんだよ!」って伝える気持ちなんじゃないかと思うようになったんです。

――それはどうしてですか?

おかめさん DJの人たちって、とにかく楽しそうなんですよね。自分が普段聴かない様なテクノやヒップホップでも、DJの人たちが楽しそうな姿に惹かれて「こんな音楽があるんだ!」と新しい世界を知ることができる。ただ人気な曲をかけることは、言ってしまえば誰にでもできるから、私は、みんなには知られていなくても、自分が「かっこいい!」と思う曲をかけるようになりました。

――みんなに合わせていたところから、自分がいいと信じるものを押し出すようになったのですね。

おかめさん そもそも、長野には昭和歌謡DJがほどんどいないから、ほかのジャンルのDJたちの中にぽんっと私が組み込まれて、アウェイな場所でDJをすることが多いんです。それでも、最終的にみんなが「めっちゃ良かったよ」と言ってくれるのは、私が「昭和歌謡ってかっこいいでしょ!」と自信を持ってDJをしているからだと思います。

おかめさんが「瓦RECORD」で主催してきた昭和オンリーイベント「昭和ラブ」

――改めて、おかめさんにとっての昭和歌謡の魅力とはなんですか?

おかめさん 現代にもいい音楽はたくさんあるけれど、今の歌って結構きれいな歌詞が多いじゃないですか。昭和の歌詞はよく聴くとすっごく面白いですよ。「こんなこと言っちゃっていいの!?」ってびっくりするくらい、面白い考え方や生き方が歌われていて、いろんな人間像が見えるんです。自由でいていいんだなと思えます。

なにより、昭和は日本が凄まじい勢いで成長した、バブリーでファビュラスでドープでパッションが溢れる時代です。その時代の中で作られた音楽のエネルギーはものすごいし、とんでもない数の曲がある。掘っていくのがとにかく楽しいです。一生死ぬまで飽きることのないジャンルだと思っています。

DJとしての自信がついた2023年のりんご音楽祭。私は私のままでいい

――おかめさんはりんご音楽祭にも出演されていますが、フェスで昭和歌謡をかける手応えはどうですか?

おかめさん 去年のステージは最高でしたね。お客さんがみんなめちゃめちゃ踊ってくれて、DJとしてすごく自信がつきました。でもそれは、自分のDJ技術が上がってきたことに対する自信というよりは、「私、本当にこのままこのジャンルを好きでいていいんだ」と自分を肯定できたんだと思います。

――DJとして自信が持てない時期もあったのですか?

おかめさん 最初は半信半疑な部分がありました。なにをやっていきたいのか、自分の気持ちが定まっていなかったし、昭和のイベントを自主企画しても、そんなに人が集まらない時もあって。「やっぱり、みんな流行っている曲の方が好きなのかな」とくじけそうになる時が何度もありました。

でも、去年のりんご音楽祭で、みんなが昭和歌謡を聴いて盛り上がっているのを見て吹っ切れたんです。みんながみんな同じことをする必要なんてないし、みんなが同じ人間だったらつまらない。私は私のままで、自分の好きなことをやり続ければいいんだと思えました。今は、「私はこのジャンルを極めていくから、任せてください!」くらいの気持ちです。

ーーおかめさんは、DJを始める前から、何かを表現することや、人前に立つことは好きでしたか?

おかめさん 全然好きじゃなかったです。実は、高校生の頃は自分の顔が大嫌いで、人の顔を見て話せませんでした。顔を隠したいからお化粧をして、でも校則違反でみんなの前に立たされて、みんなに見られるのがイヤで泣いちゃうような子でした。なんとか登校しても、トイレにこもってしまって出られないような日が何日もありました。人のことが嫌いでしたし、そんな自分のことが嫌いだった。

ーーそんな過去があったのですね。今日一日一緒に松本の街を歩いて、いろんな人に声をかけられているのを見て、むしろ人のことが好きなタイプなのかと思っていました。

おかめさん 人と話せない自分を変えてくれたのが、松本の人たちなんです。高校を卒業してからは、美容師、古着屋、飲食店のホール、「瓦RECORD」のスタッフと、接客のお仕事を通して、いろんな人と関わるようになりました。そのうちに、だんだん人と話すことに対する苦手意識が薄れてきたんです。

そうして一通りの接客業を経験してから、やっぱり私はもくもくと何かに打ち込む職人みたいな仕事がしたいと思って、2年くらい数年前から調理専門の職場に入って板前の修行をしました。でも、いろんな人との出会いを経たからこそ、「人と話せない」という苦手な部分が克服できて、自分のことも人のことも好きになれたし、自分が何を求めているのかわかるようになった。松本の街は、本当に私にとって修行の場でした。

ーー松本での出会いと経験を経て、今のおかめさんがいるんですね。

おかめさん 実は私、今月で松本市から上田市に引っ越すんです。松本の外に出るのは初めてで、どんな仕事をするのか、どんな暮らしになるのかはまだわかりません。でも、松本の街で修行をしたから、きっとどこに行ってももう大丈夫。新しい街でも、自分の「好き!」の気持ちを追い続けたいです。

「DJおかめ」のおすすめスポット
・佐藤商会
・信濃館
・SONIC
・松本の人たち!

▽「りんごよりみち」オススメマップはこちら!
https://goo.gl/maps/9mZRSz8qCBxFL9SHA
DJおかめのinstagram https://www.instagram.com/okame_wa?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=ZDNlZDc0MzIxNw==

取材・執筆:風音
撮影:Naka Hashimoto

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