チケット
購入はこちら

りんごMAGAZINE

【わたしたちのりんご音楽祭】夢の中にいるような、懐かしい場所へ帰ったような。3年目のりんご音楽祭【りんご音楽祭2024当日レポート】

2024年9月28日(土)、29日(日)の二日間、長野県松本市のアルプス公園で「りんご音楽祭2024」が開催されました。

2009年から長野県松本市で毎年開催されている野外音楽フェス「りんご音楽祭」。今年度は「大宴転承」というステートメントを掲げ、計6ステージ・前中後夜祭を含め2日間で200組を超えるアーティストが出演。のべ8000人を超える来場者がアルプス公園に集まりました。

お客さんの一人ひとりの目から見たりんご音楽祭のエピソードを届ける連載、「わたしたちのりんご音楽祭」。今回は、「りんご音楽祭2024」を体験した筆者のレポートをお届けします。

DAY1

お気に入りの服に、最低限の荷物で思い切り遊ぼう

今年で3年目となるりんご音楽祭への参加。今年は前夜祭から参加し、市内の温泉宿に前泊した。朝8時に起床し、「りんごで着よう」と買い揃えてきたお気に入りの服に着替える。足元はスニーカー。なるべく身軽に動くため、小さいショルダーバックに財布、携帯、デジカメ、モバイルバッテリー、手ぬぐい、防寒も兼ねたレインジャケットと最低限の荷物を詰めて出発。

友人の車に乗せてもらい、臨時場外駐車場からのシャトルバスで会場入り。バスに揺られること数分、アルプス公園に到着。天気は曇り空だけど、ほどよくひんやりとした空気が秋らしくて気持ちいい。

受付でリストバンドを貰って、森の架け橋を渡っていると、不思議と「今年もりんごに帰ってきた!」という気持ちに。まったくのフェス初心者で参加した一年目からまだ数年しか経っていないのに、どこか懐かしいような、帰省してきたような感覚。橋を渡る人たちはみんな浮き足立っているように見える。後ろから来た人たちが、「雨降ってないだけでもう最高!」「ほんとに!行こう行こう!」と両腕を上げて会場内へ駆けていく。

どうやって周る? 個性溢れる6ステージ

今年のりんご音楽祭は、りんごステージ、そばステージ、おやきステージ、レッドブルEVVOステージ、わさびステージ、きのこステージの形6ステージで開催された。出演アーティストは200組を超えていて、ぎゅっと詰まったタイムテーブルを見て、どう会場を周るか考える時間もまた楽しい。

それぞれのステージで規模や空気感が全く異なるのがりんご音楽祭のおもしろいところ。今年はどんなシーンが見られるだろう。

最大規模のりんごステージは森の中にある
二番目に大きいそばステージ。芝生の広場にあり、ステージ後方には飲食や物販の出店が並びマルシェのような雰囲気も楽しめる
とにかくアーティストとの距離が近いおやきステージ
各ステージの中で一番ライブハウス感の強いわさびステージ
RedbullのDJカーことレッドブルEVVOステージ。踊りたくなったらここへ
野外音楽フェスながらもクラブの空気が楽しめるきのこステージ

「今日はもうこれで満足かも」朝から最高潮

初日の開演は10時から。まずは朝イチの浪漫革命をめがけてりんごステージヘ行くと、すでにたくさんの人が集まっていた。いまかいまかと開演を待つ人たちのそわそわした空気。いよいよ開演間近になり、ステージに流れていたBGMが止まると、自分も含めてステージ前にいた観客がみんなぐっと一歩前に出た。

「りんご音楽祭!!はじめるぞー!ただいま松本!」という掛け声にステージの温度がわっと上がる。りんご音楽祭に初めて参加した年に、ライブに圧巻されて大好きになった浪漫革命。何度も聴いている曲でも、生の音で、外で聴くのはやっぱり別格。気持ちよく体を揺らしながら音に浸る。「りんごで聴けたらいいな」と思っていた新曲のイントロが始まった時点で、もう「今日は最高の一日!」という気持ちに。

隣の人たちの「次どのステージ行く?」「今日はもうこれで大満足かも。あとはゆっくり周るわ」という会話に内心うなづきながら、次はそばステージへ向かう。

途中、レッドブルEVVOステージでfloor bitchとして出演しているTastyさんを見かけて声をかける。2年目、3年目と通ううちにいつのまにか顔見知りが増えていて、「ひさしぶり〜」くらいのテンションで話ができるようになってきた。

結局そのまましばらく一緒に踊っていた。あわててそばステージへ行き友人と合流。ぐるっと出店ブースを周り、食べたいものや買いたいものに目星をつけてからステージ前方へ。

元キリンジの堀込泰行さんの柔らかい声がのびやかに響くステージにうっとりする。肩車された子供がシャボン玉を吹いていたり、赤トンボを真剣に捕まえようとしている人がいたり。芝生のステージならではの穏やかな雰囲気。

一曲ずつ曲名の説明が入っていたところ、説明なしに「エイリアンズ」の演奏がはじまり、わぁっと静かなざわめきが起きた。みんな噛み締めるように曲を聴いていた。

「今日もいい天気!」ご機嫌な歓声があがる

そばステージからおやきステージ方面に降りていく坂道は、木々の茂る小道で、一瞬フェス会場にいるのを忘れる。これだけ自然に溢れている会場なのに、どこからか音楽が聴こえてくるのはまるでテーマパークにいるみたいな非日常感。

おやきステージの前を通ると、「ハッピーバースデー」の大合唱が起きていた。混ざって一緒に歌う。りんご音楽祭で好きになったアーティストの一人、hammaさんは今日が誕生日だったらしい。最後に、聴きたかった「いうとおり」が聴けた。

りんごステージに戻り、JA全農長野のブースでりんごを買う。朝から会場内でりんごをかじりながら歩いている人が結構いて気になっていた。長野県産のしなのピッコロという品種。小ぶりなサイズでかわいらしい。持ち歩いていたらかわいいだろうという理由で買ったけれど、一口かじってみたらこれまで食べたどのりんごよりおいしく、写真を撮る間もなく食べきってしまった。

りんごステージでは、奇妙礼太郎さんの演奏が始まっていた。ゆるゆると力の抜けたMCに時折笑いが起こる。「真面目な歌じゃないほうがいいのか」と明るい歌を歌ったかと思えば、「なんでもいいのか」とサザエさんのテーマを歌い始める。「今日もいい天気ー!」の部分は、観客もみんな一緒に大合唱をした。雨は降っておらず、涼しい気候。みんな心からの声。

お酒を飲みたくなり、オフィシャルドリンカーブースでレッドブルアップルハイボールを買ってまたステージに戻る。気に入った曲を調べてみたら、どうやら音源化されていないようだった。そういう曲が聴けるのもライブのよさ。またいつか聴きたい。「あとはのんびり聴こう」と後ろの方に移動しようとしたら、演奏すると思っていなかった好きな曲が流れ出して慌てて前列に戻る。結局最後までじっくり聴いていた。

これだけ盛りだくさんなのにまだお昼どき。休み休み自分のペースで

これだけステージを周って、時刻はやっと12時半を回ったところ。会場内にも、芝生のエリアにレジャーシートを敷いて昼寝をする人や、池のほとりの岩に座って語らう人たちなど休憩中の人がぽつぽつ増えてきている。

特に目的もなく会場内を散歩したのち、きのこステージの前のベンチに落ち着く。隣では、木の枝を持って踊っている男の子がいて楽しそう。きのこステージは、まだ昼時ながらスモークとミラーボールの光で独特の空気。

きのこステージでは、ラッパーの山仁さんがライブ中だった。「自分の人生しっかり楽しんでますか?他己中じゃなくて自己中に行きましょう!」「俺は心と天気が繋がっているって信じてるから、みんなのバイブスで晴れたんじゃないかなーって思ってます」という叫びに、ステージ内の熱量がわっと上がるのを感じる。少し離れたところで私も大きく拍手をしてみる。

お腹が空いたので、そばステージに移動。「ハーイ!パッタイが寂しがってるよ!」というパッタイ屋の声が気になりつつ、軽く食べたい気分だったので台湾ビールと台湾ホットドッグを買い、ステージの後方の芝生に座って食べる。

「タイから来ました、KIKIです!」という挨拶で演奏が始まった、去年に続き2度目の出演のタイのバンド、KIKI。去年は見逃してしまい、いろんな人から「すごくよかった!」と聞いていたので今年も出演してくれてうれしい。外で聴くのが最高に気持ちのいい爽やかなダンスミュージック。前の方ではみんな気持ちが良さそうに身体を揺らしていて、多幸感に溢れた空気。ボーカルのHelenが、途中からイヤモニを外し、観客と一緒になって飛び跳ねていた。最後にはステージからみんなで集合写真を撮影。

さて次はどこに行こうかなと歩いている途中、すれ違った人が「魚の歌を歌ってるラッパー、すごくよかったよ」と話していて気になる。わさびステージの横の芝生では、演者なのか一般の参加者なのか、ひたすら一人でギターを練習している人がいた。

見たことのないステップで踊る自分を見せつけられる

行き先に迷った時、つい足が向かうのがレッドブルEVVOステージ。DJ TOMMY(BOY)がDJカーを飛び出し縦横無尽に走り回っていた。邦楽、洋楽問わず少し懐かしいヒットチューンから最近のポップスまでがどんどん続き、通り過ぎようとした人が思わず足を止めて踊り出す。自分もいつの間にか踊っていた。

携帯の通知が鳴り、友人から「踊ってるの見たよ」と動画が届く。再生してみると、見たことのないステップでくるくる周りながら頭を揺らしている自分が写っていた。私ってこんなノリ方するんだ、知らなかった。

そのまま、次のDJ817のステージが始まる。毎年楽しみにしているタイポップDJ。レッドブルEVVOステージの周辺だけがタイになる。全然言葉もわからないし知らない曲なのに、大勢の人たちと一緒に盛り上がれる不思議。DJカーからステッカーを投げる場面では、前にいた人がステッカーをキャッチし、「もらってください!私、たくさん持ってるから!」と笑顔でステッカーを譲ってくれた。ありがたくいただく。

最後の「タイポップは最高と言い続けて10年、信じよう、好きなことを続けよう。好きな人を信じよう!」という言葉が胸に染みる。

ギラギラのステージと、ピンク色の夕焼け

17時を回り、だんだん陽が落ちてくる。ゆるふわギャングを観にそばステージへ。音源で聴くのとはケタ違いのパワフルな声の響きと、観客の熱気に圧倒される。後ろの方で観るつもりが、自然と足が前に進んでいた。「踊り狂える?みんなの踊りがマジで見たい。俺が一番だとか私が一番だって踊りを見せて!」というNENEの煽りに、ステージはさらに熱狂。ギラギラなステージと対照的に、空を見上げるとピンク色の夕焼けが広がっていて、そのコントラストがまた美しかった。

駆け足でおやきステージへ。昨年度のライブオーディション「RINGOOO A GO-GO」でグランプリを獲得したWang Dang Doodleの演奏。最初の一声目で、「今、ここに居合わせることができてよかった」と打ちのめされる。ソウルフルな歌声と演奏、とにかく気持ちがよさそうなパフォーマンス。エネルギーを全身に浴びて、本当にあっという間に時間が過ぎた。

ちょっとふわふわした足取りでりんごステージへ。それにしても一日中よく歩き回っている。

りんごステージでは、ちょうどChara × 韻シストBANDの演奏が始まったところだった。人が殺到していて、一時入場規制がかかるもしばらくしたら順に入ることができた。夜のりんごステージでは鈴虫がリンリンと鳴いていて、湿った木々の匂い、やわらかい歌声とピンク色のライトの光、揺れる人たちがすべて混ざり合って夢の中にいるみたいだった。あの場所で「やさしい気持ち」を聴いたこと、きっと忘れない。

「まだ足りない!音楽が足りない!」音の鳴る方へ走る

ステージの転換中、打って変わってサブブースではゴロピカの炎のパフォーマンス。祭太鼓と手拍子の中、火の玉が舞う。「ザ・祭り!!」という雰囲気。

トリのZAZEN BOYSは、後方に寝転んで赤くライトアップされた木々を見上げながらじっくりと聴いた。「疲れたから後ろで聴く」と言っていた友人は、演奏が始まってすぐに「やっぱり前で聴いてくる、私の青春だから」と立ち上がって駆けて行った。

りんごステージ終演後、出口に向かう前にレッドブルEVVOステージに立ち寄ると、こちらもちょうど終わったところだった。まだまだ踊りたりなさそうな人たちが「ワンモア!」「アンコール!」と声をあげている。片付けがはじまったのを見て、ついには肩を組んで自分達で歌い出した。そのまま、「まだあっちから音楽が聞こえるっすよ!」「まだ足りない!音楽が足りない!」と走って行った。

来た時と同じく、森の架け橋を渡って外へ出る。シャトルバスが来るのを並んで待っていたら、一番良く見えるところから花火が見えた。一緒に並んでいた人たちと、「お〜!」と空を見上げる。余韻に浸りながらバスに揺られて宿へ帰り、眠りにつく。

DAY2

りんご音楽祭の楽しみは人間観察?

朝8時半に起床。駅前の地元のパン屋さんに朝ご飯を買いに行く。朝の松本駅前を歩いている人たちは、雰囲気や服装でなんとなく「りんごに行くんだろうな」とわかる。パン屋さんに着くと、りんごのリストバントをした女の子たちがパンを眺めながら「どうしよう全部おいしそう」「会場でもご飯たくさん食べるでしょ」「そうだった!」と笑い合っていた。

今日は駅前発のシャトルバスに乗って会場入り。結構待つかと思ったけれど、10〜15分ほどでバスに乗れた。車窓からりんご畑が見える。後ろの人たちが、「昨日で会場の感じに慣れたから、今日は人間観察するんだ」と話していた。たしかに、りんごは会場にいる人たちを見ているだけでも面白い。会場に入って早々、ベビーカーを引いた若いお父さんに「おやきステージってどこですか?」と聞かれて案内した。

まずはりんごステージの曽我部恵一さん。アコースティックギター一つを携えた弾き語り。外で聴くのがとても気持ちのいい、伸びやかな歌声とギターの音色が響く。二日目だからか、朝イチでも会場にいる人たちはみんなスイッチが入ったように興奮気味なのが伝わってくる。

タイムテーブルに載っていた名前が気になって、おやきステージの周辺住民のライブを聴きに行く。事前に何もチェックしていなかったけれど、どんぴしゃに好みな音楽でうれしくなる。牧歌的な風景や、知らない国の旅の情景が浮かんでくるような幻想的な曲。芝生に座り、ゆったりと揺れながら世界観に浸る。狙って聴きに行くのもいいけれど、ふらっと聴いたアーティストを好きになれるのも、フェスのいいところ。

レッドブルEVVOステージへ。松本出身の昭和歌謡DJおかめちゃんのステージ。朝から外で爆音の昭和歌謡を聴くというなかなかない体験。自然と身体が踊っていた。

鳴り止まない拍手と歓声。言葉一つひとつを噛み締めて

りんごステージに戻り、少し離れたところでMOROHAを観る。観客がじっとステージを見つめ、前のめりで頷きながら歌詞を噛み締めている。一曲一曲が終わるごとに、鳴り止まない拍手と歓声。ステージ全体のエネルギーがすごい。隣にいた人たちが、放心状態で「転職しようかな」「私も」と呟きながら別のステージへ移動していった。

サブブースは、編集者の徳谷柿次郎さん、日向コイケさん、カメラマンの小林直博さんによる「風のトーク祭り」を聴く。ラジオ的にゆるく聴けるのがちょうどいい。トークテーマは「集落」。フェスで集落の話?と思ったけれど、「りんご音楽祭を選んで集まってきた人たち」はある意味集落的であり、集落の「自分たちのことは自分たちで考える。周りに無関心ではいられない」というあり方に通じるかも?という話が興味深かった。

よいまつりちゃんを観におやきステージへ。すでにお客さんがパンパン。とってもかわいいのにエネルギッシュでキラキラギラギラなパフォーマンス。ファンとの掛け合いもどこかあたたかい。

ステージ移動中、「車通ります!道開けてくださ〜い!」と走るボランティアスタッフの青年に、後輩らしき子たちが「あれ〇〇先輩じゃない?」「ほんとだ!仕事してる!」「おつかれさまです!」と声援を送っていた。ぺこ、と頭を下げて仕事を続ける青年はどこか誇らしげ。

これを観ないと始まらない!お祭り騒ぎなレッドブルEVVOステージへ

あっという間に午前中が終わった。昼の一発目は、これを観ないと始まらない掟ポルシェ。すでにレッドブルEVVOステージはすごい人だかり。「今年も、去年とやることは全く一緒です!なんならかける曲も一緒です!いぇーい!!」という演説に、ステージは大盛り上がり。きっとみんな去年やその前のステージが忘れられずにここに集まってきているんだろう。

これは何かお腹に入れないと勢いについていけないぞと思い、一旦スパイスカレーを買い、ステージが見える丘に座って急いで食べる。その間も、ステージを駆け回ってビールを噴射させ、ハムを投げ、水風船をスマッシュし、木に登り、絶え間なくお祭り騒ぎが続く。人の輪がどんどん広がっていく。

しばらくふらふら会場内を散歩し、そばステージの芝生に落ち着く。空いているスペースを見つけて横になる。元yonawoの荒谷翔大さんのライブが始まり、甘くやさしい歌声が少し疲れた体に染みていく。どこからかシャボン玉が飛んできて、見るとお母さんに肩車された女の子が楽しそうにシャボン玉を吹いていた。周りの人たちが目を細めてその様子を見ている。

軽い気持ちで聴きに行ったはずが、演奏が終わる頃にはすっかりファンに

すこし休めたところで、わさびステージへ。この時間は、わさびステージがロマンティック台湾ステージに。台湾一押しのフレッシュなアーティストが三組出演。一組目のShallow Leveeは優雅なボーカルと透明感のある音が気持ちよかった。あとでちゃんと歌詞の意味を知りたい。

「やーたのしかったー!」「いや、まだまだこれからだよ。4時だもん」とステージを出ていく人たちに続き、りんごステージへ向かう。日が落ちると少し冷えてくる。暖かいものが食べたくなり、ラクサを買う。

りんごステージではBONNIE PINKの演奏が始まっていた。来年でデビュー30周年だそうで、歌い続けることのすごさを感じる。小学生の頃、実家のCDプレイヤーで何度も聴いていた曲を、りんご音楽祭で生で聴くことができて不思議な気持ちになった。「Perfect Sky」は、座って聴いていた人もみんながわっと立ち上がり大合唱に。

大満足してロマンティック台湾ステージに戻る。シンガーソングライター兼俳優の馬念先(Ma Nian Kian)。台湾シティポップ界のレジェンド的存在らしく、圧巻のパフォーマンス。知らない曲なのに、どこか懐かしいようなノスタルジックな曲。かと思えばノリノリのポップス。とにかく楽しいステージで、軽い気持ちで聴きにきたのにすっかりファンになってしまった。いつか台湾のライブにも行きたい。

日が落ちるにつれて、グングン上がる会場の熱気

すっかり日が暮れて夜に。そばステージへ急ぐ。田我流の「やべ〜勢いですげー盛り上がる」の最中で、地響きのようなステージの盛り上がりが聞こえてくる。ホットのラムチャイを買い、後ろの方でじっくり聴く。「夢の続き」が聴けてよかった。

そろそろ終演時間に近づいてくる。最後はどこを観ようかと歩き回り、ひときわ盛り上がっていたおやきステージに。

「りんご音楽祭2024」唯一のアイドルグループ、せのしすたぁ。おやきステージのテントを飛び出し、終始持ち込んだ脚立に登ってのライブ。とにかくパワフル。見よう見まねでファンと一緒にコールをするのが楽しかった。ステージ全体の一体感が気持ちいい。

バスが混む前に帰ろう、と思い一度おやきステージを離れたものの、後ろから聞こえてくるクリトリック・リスの「酒相撲のテーマ」に引き戻されておやきステージに戻る。同じく通り過ぎようとした人が「待って、これは観た方がいいよ」と友人を連れて走って輪に加わっていった。寒いはずなのに熱気がすごい

最後はきのこステージに寄り、りんご音楽祭主催であるdj sleeperさんのトリを見届ける。踊っている人、静かに音に浸っている人、まだまだ飲みたりなさそうな人、それぞれが音を楽しんでいる。

会場を出ても、日常へ戻っても、魔法は続く

レーザーに照らされた木々を抜け、ランタンの灯った橋を渡って会場の外に出る。二日間、長かったような短かったような。別世界にいたような感覚。

松本の街に降りたら急にお腹が空いてきたので、アツアツのラーメンをすすり、「疲れた〜」と言いながら、もっと音が聴きたくなり結局夜の部へ。

カーリーレコードでゆったりと音楽を聴きながら、「ようやくコロナ前に戻ったみたいだね」と話す人たちの話を聞く。自分はコロナの前フェスに行ったことがなかったので、かつてはあの空気が当たり前だったのかと改めて驚く。

1時過ぎまで踊り、ぐっすりと眠った。

翌日お土産を買いに立ち寄った縄手通りのTOCAで、店員さんに「りんご帰りですか? りんごのお客さん、ひと目見てわかります。みんなすごく幸せそうに歩いてて、ふわふわして見えるんですよ。よかったんだろうなぁ」と言われる。会場を出た時点で魔法がとけたような気持ちでいたけれど、まだ続いていたみたい。身体はまだぼんやり疲れているのに、たしかにどこか足取りは軽い。ありがとうりんご音楽祭、また来年帰ってきます。

<概要>

『りんご音楽祭2024』
日程:9月28日(土)~29日(日)※雨天決行・荒天中止
開場9:00/開演10:00/閉演20:30/閉場21:30
会場:アルプス公園(〒390-0861 長野県松本市蟻ケ崎2455番地)

<ステートメント>
【大宴転承】だいえん-てんしょう

日々の喜びを祝い讃える大きな宴、すなわちパーティー。
さぁ、今年もパーティーをはじめよう。

集う、歌う、踊る、揺れる、浸る、出会う。
ここから、それぞれの物語が大きく転がり、動き始める。

パーティーのあとに残る余韻と、なにかいいことが起こりそうな予感は、
私たちの中に広がり、さらにその先へと承け継がれていく。

りんご音楽祭実行委員会

【9/28土】
<りんごステージ>
安藤裕子
韻シスト
Kan Sano
奇妙礼太郎
ZAZEN BOYS
Chara × 韻シストBAND
七尾旅人
HIMI TRIO
浪漫革命

<りんごステージ・サブブース>
GOROPIKA【ファイヤーパフォーマンス】
宙J FDFANTA汁CHILLSTASKI(HIPHOP最PSY高CORE会議)

<そばステージ>
大沢伸一
KIKI
kZm
JUMADIBA
showmore
TAMTAM
Dos Monos
どんぐりず
NABOWA
FNCY[ZEN-LA-ROCK/G.RINA/鎮座DOPENESS]
堀込泰行
Young Coco
ゆるふわギャング
RHYME SO

<おやきステージ>
愛染 eyezen
Adee.A
Ill Japonia a.k.a Taigen Kawabe(Bo Ningen/from UK)
OLIVE OIL
食品まつり a.k.a. foodman
$till.J.Cark
THREE1989
仙人掌
環ROY
NAGAN SERVER
Neibiss
バケツドラマーMASA
hamma
PM Kenobi
MARZY
METEOR
RHYDA&snuc
Warbo
Wang Dang Doodle

<わさびステージ>
安次嶺希和子
Analogfish
エダワカレ
岡沢じゅん
ONI(あふりらんぽ) w.YAS(SAX)
KING BROTHERS
JU!iE
Spinning Plums
Split end
打射撃[中村達也+一楽儀光]
二兆円
HAPPY
Manda
MUGAMICHILL[ナスノミツル×中村弘二×中村達也]

<きのこステージ>
amapinight[TAKENOKO x YUUGOH B2B SET]
ALTZ
CALPISS
kengotaki
SAMO
SUNGA
suimin
DIRTY JOINT
7e(SLICK)
MEME
山仁

<レッドブルEVVOステージ>
Seiho
soguragura(parallel local souvenir)
TOMMY(BOY)
NIKE(Slime Mobb)
DJ817
Frogmadedrug[Manga Sick & avys]
bmbr
maca
DJ MAYURI(metamorphose)
marin
Yu Takimoto
雪下まゆ

【9/29日】
<りんごステージ>
Age Factory
小山田壮平
GLIM SPANKY
曽我部恵一
DYGL
PK shampoo
Paledusk
BONNIE PINK
MONO NO AWARE
MOROHA

<りんごステージ・サブブース>
徳谷柿次郎【TALK】
小林直博【TALK】
日向コイケ【TALK】
藤原 隆充(藤原印刷)【TALK】
オカタ゛
chokkoo

<そばステージ>
荒谷翔大
OZworld
GAGLE
Campanella
C.O.S.A.
Skaai
SPECIAL OTHERS ACOUSTIC
CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN
田我流
BREIMEN
U-zhaan×環ROY×鎮座DOPENESS
RITTO × 4号棟
呂布カルマ

<おやきステージ>
∈Y∋(BOREDOMS)
危NICEボーイズ
aryy
川辺素(ミツメ)
クリトリック・リス
Sound’s Deli
JEVA

周辺住民
せのしすたぁ
ZOMBIE-CHANG
TANGINGUGUN
TORAUMA
原田茶飯事
HUGEN
藤山拓
三輪風太
よいまつり

<わさびステージ>
CuShh
6 mab
淺堤 Shallow Levée(from 台湾)
ザ・ダービーズ
電子てろてろ
パコ・デ・ラシコ
padge
the hatch
馬念先 Ma Nian Xian(from 台湾)
Maya Ongaku
モノンクル
Yasei Collective
百合花 Lilium(from 台湾)

<きのこステージ>
AKIRAM EN
Kotsu(CYK)
Sapphire Slows
Cityboy from Seoul(from 韓国)
dj sleeper(りんご音楽祭)
SEI(bar bonobo)
Taro Aiko(ENDON/M.A.S.F.)
Ramza
Rave Racers
LEF!!!CREW!!!

<レッドブルEVVOステージ>
ヴィーナス・カワムラユキ(渋谷花魁)
N ²(きゅんです)
おかめ
掟ポルシェ
折橋栄一(Momentom)
XTAL(Traks Boys)
NEWきんぎん
花形ハヤシ
DJ MAMEZUKA
MIYABI
levolant

【両日】
<Dancer>
Jasmine
Yacheemi
COCORO
<Floor Bitch>
Tasty
<Live Painting>
ina takayuki
Ochiro
J
NICOMACHI
HOLHY PAINT WORKS/Hayato Hori
本城葵/Aoi Honjo
yang
<VJ・Laser・Lighting>
VJ mitchel
光線クラブ
ALi
熱帯配線部隊 a.k.a DJ KIM
396
<転換BGM>
riko(MARKING RECORDS)

<りんご音楽祭2024夜の部>
at CENTURY MAXIMビル(〒390-0815長野県松本市深志1-2-15/09093453240)

9/27金『前夜祭』19:00-2:00/当日券のみ¥3,000(ドリンク別)
【THE LIVE at MOLE HALL(地下1階)】
LIVE:浪漫革命/showmore/ONI(あふりらんぽ) w.YAS(SAX)/padge/二兆円
【OZY pre. at GNU(4階)】
LIVE:METEOR/丸省/$till.J.Cark/Warbo/BZN/ジャッジとオジー(危NICEボーイズ)
DJs:ina takayuki/TOMAHAWK/J/bmbr/YAMBARA/DON’T
カジノ:Dealers Rush
【maca pre. GNU2nd(5階)】
LIVE:KISEKI[Taigen Kawabe(BO NINGEN)×食品まつり a.k.a foodman]
DJs:メコンス(DJ Set)/Enn[avys × maca]/eAiR/masato
【三茶番外地 pre. カーリーレコード(5階)】
BEAT LIVE:GAMIBEATS
DJs:DON/ebatee&knak28/KIMURA/TIsS/DJイェイイェイ!ウォウウォウ!/aosho
FOOD:松本メーヤウ

9/28土『中夜祭』22:00-4:00/当日券のみ¥3,000(ドリンク別)
【Slime pre. at MOLE HALL(地下1階)】
LIVE:愛染 eyezen/UNTYABES/18sano&MARU-AI/kiyora/Lxathe9
DJs:chomo(どんぐりず)/MARZY/DJ RYOTA/
DJ K-TRACK/DJ $ORA/DJ RyuNosuK/DJ KEIGO/DJ DIG-G/NIKE
【amapinight pre. at GNU(4階)】
DJs:SAMO/TAKENOKO/YUUGOH/MIYABI/LEF!!!CREW!!!
HOST,Dancer:sakura/rina hagai/aoi takase
カジノ:Dealers Rush
【THE RUBYROOM pre. at GNU2nd(5階)】
LIVE:山仁/NASTY K(DIRTY JOINT)
DJs:BAKU(KAIKOO)/7e/CALPISS/Takumi’s Afterparty/聖体泥棒/KOGEN/仙道
【marin pre. at カーリーレコード(5階)】
LIVE:Neibiss[hyunis1000&ratiff]/RHYDA&snuc/凪/BANDIT
DJs:大沢伸一/DJ snuc/LUX/ryoka/marin
FOOD:松本メーヤウ

9/29日『後夜祭』22:00-5:00/当日券のみ¥3,000(ドリンク別)
【Rジャッジ pre. at MOLE HALL(地下1階)】
LIVE:呂布カルマ/TORAUMA/PM Kenobi/危NICEボーイズ/樹/Takulow
DJs:4号棟 with RITTO/ Mazlika(Mnchr-m)/POPPO(ER-404)/GLORY MOUNTAIN SOUND/折橋栄一/おかめ
【HANGOVER pre. at GNU(4階)】
LIVE:Campanella/Sound’s Deli/屍/Clavis
DJs:shobbieconz(MdM)/Tiger/TAMUKEN/DJ YUKI/readd/TAKU
カジノ:Dealers Rush
FOOD:Switch
【TROPICAL WAV. pre. at GNU2nd(5階)】
LIVE:aryy
DJs:Seiho/N ²(きゅんです) x ViDA/MoEPiKA/AKKO/TROPICAL WAV DJ’s -LEF!!!CREW!!!, TSUBAME, MIYABI, and more-
【dj sleeper pre. at カーリーレコード(5階)】
DJs:Kotsu(CYK)/Cityboy from Seoul(from 韓国)/Sapphire Slows/AKIRAM EN/Ramza/SEI(bar bonobo)/DJ MAMEZUKA/dj sleeper
FOOD:松本メーヤウ

OTHER MAGAZINE

RECENT NEWS