【りんごよりみち】「おもしろいことが生まれ続ける予感がする街」 〜DJ bmbrと歩く松本〜
野外音楽フェスなのに、「街」に近いフェス、りんご音楽祭。本連載「りんごよりみち」では、松本在住のりんご音楽祭出演アーティストに町案内をしてもらいます。
第8回のゲストは、DJ・ビートメイカー・ダンサーとして活動するbmbr(ボンバー)さん。コロナ禍をきっかけに東京から松本に移住してきたbmbrさんは、「好きなもの」が近い人を少しずつ探して、松本の街に溶け込んできました。
①見ることのも登ることも好きなアルプスの山々
bmbrさん まず、松本に来たら見てもらいたいのはやっぱりアルプスの山々ですね。市内からサクッと山を見に行くなら城山公園がおすすめです。展望台があって、ぐるっと松本の街や山並みが見渡せるんですよ。県外から友人が来る時はよく連れて行っています。
ーーbmbrさんは、山を登るのも好きですか?
bmbrさん 見るのも登るのも好きです。山の何が好きかと言われたらうまく説明できないんですが、自然の中に身一つで存在する状況になれることが、なんか良いなぁと。
ーー松本に移住する前から、山はお好きだったんですか?
bmbrさん 松本に来る少し前くらいから、山が好きになりました。社会人になって数年が経った頃、急に山に登りたくなったんです。学生時代はどちらかといえばインドアでしたし、特に山への思い入れはありませんでした。でも、ふいに山に呼ばれたというか……。
ーー山に呼ばれた。
bmbrさん 社会人一年目の頃は大阪にいたんですが、大阪は中心地から少し離れるとわりと開けていて自然がよく見えるんです。その風景をずっと見ていた影響もあるのかな。急にふと「山に登りたい」と思ったんです。学生の頃よりお金の余裕も出てきていたので、「よし、登ってみるか」と道具を揃え、兵庫県の六甲山に登りに行きました。
ーーそこからいきなり登山を。思い切りがいいですね。
bmbrさん どうだろう、素直なのかもしれないですね。何かをする上で、変に考えないというか。そうしていざ登り始めてみたら、山が好きになりました。
ーー松本に移住してからもよく登りに行っていますか?
bmbrさん ちょくちょく登りに行っています。北アルプスや上高地エリア、八ヶ岳に登りました。松本で山に登るなら、「美ヶ原(うつくしがはら)」にはぜひ一度行ってみてほしいです。車で標高2000mまで上がることができ、難易度が低いんです。本当に気持ちがいいですよ。
②「松本の入り口」になった大衆酒場「加賀家」
bmbrさん 「加賀家」は、松本に移住してきてから一番最初に通い始めた酒場です。僕の松本の行動範囲は、今も「加賀家」が中心ですね。
ーーbmbrさんの定番メニューはなんですか?
bmbrさん 生ビールとハムカツ、ポテサラあたりが定番ですね。季節によってメニューが変わるんです。冬だと、肉豆腐とかカキフライがあったり……。どれもおいしいですよ。加賀さん、生一つお願いします。
ーーじゃあ、私はガリサワーとポテトサラダを。「加賀家」さんはオープンしてから結構長いんですか?
加賀さん ちょうど7周年を迎えたところです。自分は松本出身なんですが、一度松本を出て、戻ってきてから「加賀家」をオープンしました。
bmbrさん 加賀さんは、ほんとによく人の顔を覚えてくれるし、人とつなげてくれるんです。僕が初めて「加賀家」に来た日は、閉店間際でもう入れなかったんですが、次に来た時に加賀さんが「こないだ来てくれたよね?」と声をかけてくれて。
ーー移住したばかりの頃に、誰かが自分の顔を覚えてくれているというのはうれしいですね。
bmbrさん そこから、まずは加賀さんと話すために「加賀家」に飲みに来るようになりました。加賀さんとは、「好きなもの」が近いと感じるんです。今では、お店以外の場所でも仲良くしていただいています。
ーーお二人は普段何をして遊ぶんですか?
bmbrさん 基本的には飲み食いですね。二人とも、うまい酒とうまい飯が好きで。松本は、おいしいお店が多いので楽しいです。松本の他にも、二人で福岡旅行に行ったこともありますよ。
ーー福岡まで!相当仲良しですね。
加賀家さん 行ったね〜。現地集合現地解散でね。俺が帰る日にbmbrが来たんだっけ。
bmbrさん 加賀さんがおいしいお店をたくさん教えてくれて、着いたばっかりなのにめちゃくちゃ食べましたね(笑)。松本から福岡までは、松本空港から直行便が出ているので意外と気軽に行けるんですよ。
加賀さん はい、ポテトサラダお待たせです。
ーー盛り盛りだ! いただきます!
bmbrさん インパクトありますよね。加賀さんの作るご飯は全部おいしいですよ。それに、加賀さんはもともとDJもされていて、松本市内でパーティーの企画もしていたんです。直近は「加賀家」の周年でパーティーを企画されていて、僕もDJとして出演させいただきました。
ーー「飲みの場」から、街での音楽活動につながっていったんですね。
bmbrさん まずは加賀さんと仲良くなって、そこから加賀さんがいろんな人とつなげてくれました。僕の松本生活はここから始まったと言えるくらい、「加賀家」さんにはお世話になっています。毎年12月には「加賀家」の店内を貸し切って自分の松本移住の周年パーティーを企画しているんです。
ーー自分の移住周年パーティーを!それだけ大切な場所なんですね。
bmbrさん これからも、ここでもらったものをなんとか自分なりにお返ししたいですね。
③松本の音楽シーンに入り込む第一歩!「SONIC」
bmbrさん 「SONIC」は、松本の音楽シーンに入り込むきっかけになった場所です。バー営業、スタジオ貸しをしているほかに、いろいろと音楽イベントをやっています。自分は、誰でも自由にDJができる「オープンDJ」のイベントがあると聞いて足を運びました。
ーーイベントの案内を見て、一人で飛び込んだんですか?
bmbrさん いえ、一旦「加賀家」の加賀さんに「SONICでやっているオープンDJってどんな感じなんですか?」と聞きに行ったんです。そうしたら、たまたまカウンターで飲んでいた人が「SONIC」でよく遊んでいるDJの人で。「一緒に行く?」と誘ってくれました。
ーー人づてにじわじわと街の行動範囲が広がっていったんですね。
bmbrさん そこから「SONIC」の卓郎さんとも話すようになって。卓郎さんも、「加賀家」の加賀さんと同じく人の顔をよく覚えてくれるし、面倒見が良いんです。いろんな人とつないでくれました。
卓郎さん おっ、こんばんは〜。
ーーこんばんは。かなり賑わっていますね。今日は何のイベントをされているんですか?
卓郎さん 今日はアニソンコスプレイベントをしています。長野のアニソン系のイベントだと、結構長く続いているイベントですね。
ーー「SONIC」では本当に幅広いイベントが開催されているんですね。
bmbrさん 自分も、毎月ビートライブ主体(※1)のイベントを主催させてもらっています。卓郎さんに「松本でビートのイベントをしてみたいんですが」と話しに行ったら、「いいじゃん!」と背中を押してもらって。音楽をする上で、街にこういう場があるのは本当にありがたいですね。
卓郎さん 基本的に、相談があれば「いいじゃん!」とまずは受け入れていますね。間口が広く、敷居も低い。断ることはあんまりないです。一回やってみて「あれ?様子がおかしいな?」と感じた場合は2回目以降お断りする場合もありますが……。誰かがすごく損をするようなイベントは、音楽的ではないので。
bmbrさん でも、そうやって「いいじゃん」と受け入れてもらったイベントが続いていくかは、本人の頑張り次第ですよね。
卓郎さん そうだね。でも、bmbrくんのイベントはちゃんと続いているし、bmbrくんのことはビートメイカーとしてもDJとしても尊敬してますよ。どんなイベントにブッキングしても、毎回きっちり期待に応えてくれるんです。
bmbrさん 恐縮です。呼んでくれる卓郎さんあってのことですよ。
卓郎さん タイムテーブルを組む上で、bmbrくんがいるとすごく楽なんですよ。オープンでも、盛り上がるところでも、流れを変えて欲しいところでも、自分の期待以上のものを見せてくれる。安心感がありますね。次のイベントも楽しみにしてるね〜!
※1・・・ビートメイキングとは、DTM(デスクトップミュージック)と呼ばれる作曲・表現手法の一つ。主にヒップホップやR&Bなどの音楽ジャンルで使われており、 ビートメイカーは、DAW(デジタルオーディオワークステーション)を使ってサンプリングやシンセサイザーを組み合わせ、オリジナルのビートを作る。
④飲み歩きの最終到着地・和酒と肴「招福」
bmbrさん 「招福」は、駅前エリアの路地裏の一番奥にある飲み屋さんです。この店のすごいところは、臨時休業日を除いて基本的に毎日営業しているんですよ。松本で飲み歩く夜は、最終的にここにたどり着くことが多いです。
ーー「いつでも空いている」という安心感があるんですね。
bmbrさん そうじゃなくても、「招福」はご飯もお酒もうまい。店主は特に焼酎が好きな方なんですが、日本酒もあるし、ビールもある。お酒に合うご飯もある。最高ですね。あぁ、でも今日は満席かな……。
bmbrさんのお友達① あれっ、bmbrだ!
bmbrさん わ、みんないる!やっぱりみんなここに来るんだなぁ。ちょっと一緒に飲んでいってもいいですか?
bmbrさんのお友達② どうぞどうぞ〜!
ーーこんばんは。りんご音楽祭の企画で、bmbrさんに松本の街案内をしてもらっていて。みなさんは何友達ですか?
bmbrさん 飲み友達ですね。みんな、「加賀家」で飲んでるうちに仲良くなった人たちなんですよ。今来たんですか?
bmbrさんのお友達② いや、これで二杯目だし、二軒目。うちらもさっき別のお店でたまたま会ったんだよ。
bmbrさん お〜、いいですね。すみません、烏龍茶割を一つお願いします。
ーー私も烏龍茶割を。
一同 カンパ〜イ!
ーーそれにしても、bmbrさんは移住から数年とは思えないくらい松本に溶け込んでいますね。
bmbrさんのお友達① ほんとにね! bmbrは、松本出身の人よりも松本に友達が多いと思う。私もそうだけど、松本の人って松本のことがすごく好きじゃない? だから、bmbrみたいに県外から来て「松本が好き」っていってくれる人のこともすごく好きなんだよね。
bmbrさん たしかに。「松本っていいですよね」「いいよね〜!!」って、アゲ合いが起きている気がします。
bmbrさんのお友達① 私ね、一回松本を出るまで、「地元が好き」って当たり前だと思ってたの。でも、東京で暮らしていた時にいろんな人と話して、みんながみんなそうじゃないのかもしれないって気づいた。
bmbrさんのお友達③ 松本の人って、地元愛がものすごいですよね。僕は新潟から移住してきたけど、そんなに地元に帰る意識はないなぁ。
bmbrさんのお友達② 私、仕事で学生の子と話す機会が結構あるんだけど、お盆とかの帰省シーズンでも地元に帰らなかったり、卒業後も帰るつもりなかったりする子が結構いるんだよね。でも、松本はみんな帰ってくる気がする。
bmbrさんのお友達① それって松本が城下町なのも関係しているのかな?
bmbrさんのお友達② あ〜、そうかもね。「帰ったらきっと何かがある」っていう空気が昔からずっとあるのかな。
bmbrさん あとは、やっぱりみんないい意味でパリピなんですよね。お祭りが好きなんだと思うんですよ。「街でなにかがある」って聞けば、どこからでも集まってくる気質があるんじゃないかなぁ。
会社員として働きながら、東京を拠点にダンサー・DJとして活動していたbmbrさんは、コロナ禍をきっかけに松本に移住してきました。後半では、「好きなもの」を手がかりに少しずつ街に溶け込んでいくまでのお話を聞きました。
「りんご音楽祭」のたびに毎年通っていた松本へ、コロナ禍を経て移住
ーー改めて、bmbrさんが松本に移住してきた背景をお聞きしたいです。もともとのご出身はどちらですか?
親が転勤族だったので、僕にはいわゆる「地元」と言えるような街がないんです。松本に移住する前は、東京で営業の仕事をしていました。
ちょうどコロナが流行り出した頃に、手に職をつけようと思ってWEBエンジニアに転職したんです。入社と同時期くらいに、コロナの影響でリモート化が進み、「このままずっと東京にいるのもなぁ」と考え始めました。金沢、福岡、台湾と移住先の候補はいくつかあったんですが、最終的には松本に決めました。
ーー候補の中に松本があったのはどうしてですか?
「りんご音楽祭」が数ある中でも一番の大きなきっかけです。音楽が好きだったので、コロナが流行り出す前は5〜6年ほど毎年「りんご音楽祭」のたびに松本に遊びにきていました。街の感じもなんとなくわかったし、大きい音楽フェスが開催されている街なら、自分と同じように音楽が好きな人も多いんじゃないかな?と。
とはいえ、「りんご音楽祭」の時はいつもキャンプ泊をしていたので、街中に馴染みのお店があるとか、知り合いがいるというわけではありませんでした。松本の街のことを知っていったのは、移住してきてからです。
ーーほとんど誰も知り合いがいないところから、どうやって街に入り込んでいったのですか?
まずは移住前から松本のことをいろいろと調べました。その時に、松本在住のラッパーのMASS-HOLEさんという方が、スペースシャワーTVの「blackfilestv」というインタビュー企画で松本の案内をしているYouTube動画を見つけたんです。
そこで紹介されていたのが、「加賀家」さん、「SONIC」さん、それから「THE SOURCE DINER」さんで。移住したら、まずはそこに行ってみようと決めました。
ーーほとんど今日巡ったお店ですね。その番組を頼りに、松本を開拓していったと。
好きなアーティストの方が紹介している場所に行けば、きっと自分と「好きなもの」が近い人がいるんじゃないかなと。そうしたら見事にドンピシャで。
ただ「好き」を投げるだけでは受け取ってもらえない?
ーーbmbrさんは、松本に来る前から音楽活動をされていたんですよね。
はい。10代の頃からずっとダンスをしていて、大学生になった頃にダンスの勉強のためにDJを始めました。
ーー勉強のためにDJ を。
ダンスがうまくなるには、もっと音楽のことを知らないといけないなと。DJのかける音楽の文脈を知りたかったことと、たくさんの音楽を知ることで、楽曲そのものに対する踊りのアプローチを掘り下げされるんじゃないかと考えたんです。そうして、最初はダンスイベントを中心に、大小様々な箱でのプレイを経験してから、その後は飲食店やプライベートパーティ、小箱などへと活動の場を移してきました。なんやかんやもう10年以上続いています。
ーーbmbrさんは普段DJをする時は何を考えていますか?
う〜ん、空気を読むのに必死です。DJをする目的って、あくまで自分の好きなものをシェアする自己表現だと思うんですが、ただ自分の「好き!」をぶん投げたって受け取ってもらえない。
パーティーによっては、とにかく自分の好きなものをぶん投げてもいいような場もありますが、大きなイベントだと、僕をめがけて来たわけではない人がたくさんいます。通り過ぎようとした人が、「あ、いいな」と足を止めてくれるよう、とにかく空気を読んでプレイしているかもしれないです。
ーー会社員をしながら音楽活動をするのは大変ではないですか?
音楽を生業にしている方々ほど、昼夜たくさんのイベントに出ているわけではないので、大変だと思ったことはないですね。むしろ、会社員をしていることによって生活が安定するから、ダンサー、DJ、ビートメイカーといろんなことができると思っています。でも、全部「趣味で」がつく。会社員としての仕事をせずに、音楽のことだけ考えていたいと思う時もあります。
ーー「趣味」ではなくなる時が。
いつかどこかで振り切る時が来るんだと思います。そうじゃないと、おもしろくないじゃないですか。いざ実際にそうするのは大変なんですけどね。今は、生活が安定している心の余裕があってこそ、やりたいことをしていますが、何かの弾みでやりたいことだけするようになるかもしれない。いや、なりたい、と思っています。何十年先になるかはわからないけれど。
まずは「好きなお店」を見つけるところから、街の人たちとつながっていった
ーー松本移住後は、どうやって街の音楽シーンに入っていきましたか?
移住当初から松本でも音楽活動をしたいと思っていたので、自分からいろいろなお店やイベントに顔を出して、「DJをしています」と言うようにしていました。
基本的に、まずは好きな場所やお店を見つけて、何度も通うことでお店の人と仲良くさせていただいて、そこから何らかのきっかけでお店のお客さんと繋いでいただくことが多かったです。そうして自然と交友関係や活動の場が広がっていきました。
ーーまずは「好きなものが同じ人を見つける」ところから。街でのイベント情報はどうやって掴んでいきましたか?
最初は、ほとんど人づてや、行った先のお店にあるフライヤーやポスターから情報を得ていました。途中からは、仲良くなった人たちに「一緒に行こうよ」と誘われていろいろと行くようになりましたね。
最近は、松本のパーティーやライブ情報をまとめたWEBサイト「mootoo media」がリリースされたのでチェックしています。これから移住してくる人は、このサイトを見ればかなり松本の情報がキャッチできるんじゃないかな。
ーーbmbrさんは2023年の「りんご音楽祭」に出演されていますが、それも自然と活動の幅が広がっていった結果なのでしょうか。
そうですね。僕がSONICのラウンジでDJをしていたら、りんご音楽祭主催者のsleeperさんが声をかけてくれて。居合わせた友人が、僕がりんご音楽祭に毎年来ていたことをきっかけに松本に移住してきたことを紹介してくれたんです。そこから街のパーティーやイベントで顔を合わせるようになり、瓦レコードのパーティーにもブッキングしてもらうようになりました。
2022年に「りんご音楽祭」のアフターパーティー「夜の部」に出演させてもらい、2023年は昼の部のRED Bull Revoステージに。これまで、野外音楽フェスに出演したことはなかったので、いい経験でした。移住後に松本でできた友人たちや、県外の友人知人もたくさん遊びに来てくれて楽しかったです。
松本は新しいことが生まれやすい街。続いていくかは自分次第
ーー移住のきっかけになったフェスに、自分が出る側に。「SONIC」では、bmbrさん発のビートのイベントを毎月開催しているとのお話がありましたが、自主企画を始めたきっかけは何だったんですか?
ビートライブは、もともと聴く側としてずっと好きで。ちょっと自分でもやってみてはいたんです。松本にはビート系のイベントがなかったので、初めは「プレイヤーがいないのかな?」と思ったのですが、実際にみんなに声をかけてみたら、意外とやっている人がいたんです。「じゃあ自分で企画してみようかな」と。
ーープレイヤーがいて、場がないなら自分で作ろうと。
そこから毎月開催していて、この7月でちょうど1周年になります。松本は、本当にいろんな音楽を聞く人がいるので、「私はこれ」みたいにジャンルを絞っている人が少なくて。みんな、良さそうなもの、面白そうなものならジャンル関係なくどれでも行く、みたいな空気があるんです。だから新しいものは受け入れられやすい。
松本の人って、本当にパーティーが好きというか、「お祭り」が好きなんですよ。でも、ちゃんと音楽も好きだから、適当なことをやって許す人たちでもない。音楽活動をする上で、すごく良い環境にいるなぁと思います。
ーージャンルを問わず、いろいろなものが受け入れられやすい。
DJや音楽に限らず、「何かを始める」ことへの敷居がすごく低い街ですね。若手や初心者をすごく良くしてくれる空気がある気がします。なにかを始めようとすると、「いいじゃん」とみんなが引き上げてくれる。
ーー「引き上げてくれる」というのは?
同じことに興味がありそうな人を紹介してくれたり、場を提供してくれたり。「やってみたい」という思いつきから、実現できるまでのスピード感が速いんです。
ーーなにかをしてみたいと思った時に、実現できる場があって、面白がってくれる人たちが街にいる。
それに、松本のいいところは街の中で循環が起きていることなんです。「加賀家」の加賀さんのように、一度街の外に出た上の世代の人たちが、「松本でなにかしよう」って帰ってきてくれている。ずっと松本にいる人もいれば、一度出ていって帰ってくる人もいて、僕のように外から来る人もいる。そのバランスがすごくいい。新陳代謝が絶えず起きている。松本の街では、これからも面白いことがたくさん起きていくんだろうなという予感がしています。
「bmbr」のおすすめスポット
・美ヶ原/城山公園
・加賀家
・SONIC
・招福
▽「りんごよりみち」オススメマップはこちら!
https://goo.gl/maps/9mZRSz8qCBxFL9SHA
bmbrのinstagram
https://www.instagram.com/bmbr32/
取材・執筆:風音
撮影:Naka Hashimoto