りんごMAGAZINE

「とにかく松本の街が好き!!」デザインチームのミキさんが語る、松本とりんご音楽祭の魅力

長野県松本市で毎年開催される音楽フェス、「りんご音楽祭」。そもそも、「りんご音楽祭」って?他の音楽フェスと何が違うの?フェスのHow toとは?……etc

主催者のdj sleeperを中心に、その他の運営メンバーや、出演者へのインタビューなどを通じて、りんご音楽祭について紐解いていきます。お相手を務めるのは、2001年生まれのフェス初心者、長崎航平。根掘り葉掘り、りんごの魅力を探ります。

今回のゲストは、またもりんごの第一回を知る初期からのメンバー、ミキさん。デザインチームとして、毎年のポスターデザインやその他ビジュアル制作などを行うミキさんにお話を伺いました。りんごの主催者であるdj sleeperにもガツガツ踏み込んでいくスタンスのミキさんとの収録は、終始笑いが絶えない回になりました。

「りんご音楽祭」デザインチームの要、ミキさん

長崎:さっそくですが、自己紹介をお願いします。

ミキ:こんにちは、ミキです。デザインのお仕事をしています。りんごでは、デザインチームとして活動していて、メインビジュアル、グッズ、チラシなどなどを作ってます。

長崎:ミキさんは、ほんとに最初期からりんごに関わっているんですよね。

セキミキ:そう、1回目からだね! 1回目にデザインの仕事をやったらお金がもらえなくて! sleeperを土下座させて、それから三年くらい無視してて!

長崎:あっ、そうだったんですか…。もともと、sleeperさんとはどういうつながりだったんですか?

ミキ:私がね、街のフライヤー屋さんをしてたの。ライブハウス、ハコ、パーティのフライヤーを作る仕事をしていて。それで松本の音楽関係の人たちとつながりが多かったのがきっかけかな。

長崎:じゃあ最初は、仕事としてsleeperさんに依頼されたと。

ミキ:当時は個人事業としてデザインの仕事をやっていたんだけど、スタッフの子達も何人かいてね。みんなで「ああしようこうしよう」ってわちゃわちゃ楽しくやったの。ホームページ作ったり、ポスター作ったり‥‥当時の友達価格で全部で40万円。そしたら、あとからそのお金が払えないって言われて。

長崎:40万円でも、かなり安くしての金額だったんですよね。

ミキ:金額はね、もういいんだけど。要はそこがお互いの妥協点だったのね。なのにお前ふざけんなよ! って思ったよ。それから3年ぐらい無視してた! それで、4−5年目に「ミキちゃん、やっぱりデザインやってほしい」ってsleeperに言われて、「しょうがないからじゃあやるよ」って。

長崎:なるほど、そういう経緯があって今に至るんですね‥‥。

アンティークショップに買い付けに行くみたいな気持ちで来て欲しい

ミキ:それにしても今年のりんごはアーティスト呼びすぎだよね! 三日間のタイムテーブル誰がつくんの!? って思わない?

長崎:さっき、りんご運営の中枢の人たちとそばを食べてきたんですけど、みんな「sleeperさん、今年これどうするんですか?」「なにがどうなるのかわかってないんですけど」って話してましたね。

ミキ:みんな心配することは一緒だよね。開催まであと1ヶ月切ってるのに、sleeperはまだブッキングし続けてるもんね。

長崎:アーティスト、今年は200組超えてますもんね。

ミキ:ねー、誰がどうするんでしょうね? 私は当日は毎回ほんとに遊んでるので、そのへんのことはわからなくって。

長崎:でも、みんな「まぁなんとかなるでしょ」って言ってましたね。

ミキ:うん、まぁなんとかなるんだと思うよ。

長崎:それにしても、一つのフェスであれだけの数のアーティストが見れるのってりんごくらいじゃないですか? すごいですよね。

ミキ:だよね。お得だよね。お客さんには、アンティークショップとかフリマに買い付けに行くみたいな気持ちで来て欲しいな。誇り高く! すごいところにきてるぞ!って。

長崎:たしかに。これから来るアーティストの目利きをする感覚でも楽しめますね。

ミキ:そういう楽しみ方もできるよね。しかも、りんごってね、あれだけのアーティストを呼んでおきながら、カラオケもあるんだよ。

長崎:カラオケ?

ミキ:三年前かな、カラオケスナックの出店があったの。それなりの入場料を払ってきているのに、ずっとカラオケしてる人とかいるの。すごいよね。でも楽しいんだよ! 私も入り浸っちゃった。

長崎:ほんとにそれぞれの楽しみ方がありますね。

セキミキ:そう。それぞれなんです。なにがすごいとかえらいとかないの。それぞれ、好きなことをすればいいのがりんご。

松本の街で開催される「りんご音楽祭・夜の部」

長崎:遊び方がそれぞれに委ねられているのがりんごの良さではあるんですが、ミキさん的におすすめの遊び方はありますか?

ミキ:ここじゃ言えない!(笑)

長崎:言える範囲での、大衆向けの楽しみ方を教えてください!(笑)

ミキ:そうだね、普通にりんご楽しんで、街にも出て……ってなるけど、それはみんなやるよね普通に。「夜の部」だけ楽しみに来るとかでもいいのかも、もはや。

長崎:おー、なるほど。夜の部って、なにがすごいんですか?

ミキ:夜の部は‥‥、へべれけです、へろへろです!(笑) 

長崎:市内のクラブやライブハウス、いろいろな会場でパーティーがあるんですよね。

ミキ:
3会場かな。sleeperはね、とにかく多発させたいの。今年は当日も6ステージあるし、やりすぎてて面白いよね。おかげさまで楽しいんですよね。

長崎:多発! たしかに。さらに、今年のりんごは三日間開催されますしね。

ミキ:ほんとに、休み休みやりましょう。全部回ろうと思ったらだめ、あぶない!(笑)

長崎:自分の体力と相談ですね。

ミキ:そうそう。どこにブチこんでいけばいいんでしょうね(笑) 体力がある若い子だったら、ずーっと遊んでればいいよ。当日会ったら奢ります! これ聞いたって言ってくれたら、一人四杯くらいおごるよ!

長崎:ここにきて素敵な視聴者プレゼントが‥‥。

ミキ:
ぜひぜひ!声かけてください。

長崎:いやぁ、夜までしっかり楽しみたいですね。

ミキ:>途中で温泉行くとか、ブレイクタイム作るといいかもね。1日中アルプス公園にいないで、ちょうどいいタイムテーブルを自分で作って動く。松本、最近さらに新しいお店が増えてるから、街をディグるのも楽しいと思う!

「りんご音楽祭」は松本の街と溶け合っている

長崎:りんごの楽しみ方、イメージが掴めてきました。では、初回から関わっているミキさんだからこそ語れるここ数年のりんごに対する率直な感想はどうですか?

ミキ:ん〜、わかんない! りんごについて語るのは難しいなぁ。りんごは、「りんご音楽祭」だけじゃないんですよ、松本の街と溶け合っちゃってるの。

長崎:というと?

ミキ:sleeperに雇われてやっている気持ちではやっていなくて、松本の街のためのお役目をやっている、っていう気持ちかな。それはみんな一緒だと思う。

長崎:そこ、掘り下げたいなと思っている部分で。そもそもりんごが他のフェスと違うのは、「フェス」でありながらも松本の街とがっちり結びついているところですよね。sleeperさんの言葉を借りると、「住んでいる街でやっているフェス」。

ミキ:街に誇りを持ってやっているね。みんな好きなんだよね、松本の街が。私も好き! だけど、なんだろうな。執着だよね、sleeperのあれは。私は、松本の街で生まれてそこそこ俯瞰して見てるから……、いやぁわかんないな、私も執着してるかも!(笑)

長崎:(笑)

ミキ:でも、ほんとにみんな松本の街が好きなんだと思う。街が好きで、自分の街をみんなに自慢したくってやってるんだよ。りんごの最初のスタッフは女子高生だったって聞いたでしょ? あの子たちもすごく松本の街が好きでね。私はむしろ、あの子たちに感動して、りんごに関わることにしたの。

長崎:へー! そうだったんですね。

ミキ:私が松本にいた20歳くらいまでの時って、とにかく松本のことを「クソみたいな街だな」って思ってたの。山とか見たことなかったし。それで、20歳の時に街を出て、そこから6年間は松本を離れていて。

長崎:
なるほど。

ミキ:26歳で松本に帰ってきてデザインの仕事を始めたんだけど、当時の松本には、ただのミーハーじゃない「音」好きの女の子たちが多かったんだよね。そういう若い子たちが松本にいることにすごく感動した。だから、私もりんごやろうって思ったんだよ。

松本の若者は街で遊ぶのが上手?

長崎:僕の地元は長野県の上田市なんですが、高校生の段階で自分の街に誇りを持っているってあんまり感じなかったですね‥‥。みんな長野の外を見ているというか、街を出ていくことを前提に考えている気がします。その点、松本の子って若いうちから自分の街に誇りを持っている気がするんです。

ミキ:
そうなのかなぁ。若い子の方が魂のレベルが高いから、「自分の街が好き!」っていうのはどこのローカルでも起きていると思っているんだけど、これは松本だけなのかな? もしそうなら、たくさん松本で遊んできた大人たちがちょっとはいいことしたのかもね。そのおかげで松本が好きな若い子たちが出てきて、そういう若い子たちを見て、私たち大人はさらに松本の街が好きになって‥‥。

長崎:上田出身の僕からすると、松本の若い子たちって遊び上手だなと思います。そういう若い子たちが遊べる場所が地元の街にあるのは、sleeperさんやミキさんのような、上の世代の人たちのおかげなのかなと。

ミキ:若い子たちが、地元にたくさん常連のお店がある。それってすごいことだよね。ちょっと前だったら、サラリーマンのおじさんたちが地元のいろんなお店を知っていて、「いい店知ってるからいこうぜ」って連れて行く、みたいなのを松本の若い子はできちゃうからね。

長崎:松本の街は、いろいろ歩いて回れるから遊びやすいのもあるのかな。

ミキ:アルプス公園から街までは歩けないから、当日の移動はタクシーとかを使ってね! 街に出ちゃえば歩けるよ。夜に松本の街を歩くのもほんとに最高! 松本の街ではしごするのが楽しいのはね、道が気持ちいいからってのもあるかも。川とかあるし。

長崎:街にあれだけきれいな川が流れているの、珍しいですよね。京都っぽいというか。

ミキ:ね! 鴨川っぽい。チルな感じがあるよね。他に人がいなくて、その時一緒にいる人たちだけでその空気を楽しめたりするからね。そう考えると、松本っていろいろ贅沢なのかも。小澤征爾が来たり、歌舞伎の公演があったり……。あんまり他の都市ではやらないようなこともあったりするね。ラッキーだよね。

松本の人は「いーじゃんいーじゃん」

長崎:松本の人にとっては「当たり前」のことが、外から見たら結構贅沢だったりしますよね。ミキさんは、具体的に松本のどこが好きですか?

ミキ:人が好きです! というより、「松本が好き」って言ってくれる人たちがいるから、松本が好き。私はこの街で生まれただけでも、私を褒められてるようなもんだから、誇り高いじゃん? 基本、松本が好きっていう人のことは好きかも。ふふ(笑)

長崎:ちなみに、ミキさん的には松本の人ってどういう人ですか?

ミキ:松本の人は、「いーじゃんいーじゃん」! なんでもそう。むしろね、「いーじゃん」って言われちゃったら、がんばってやらないといけないの。

長崎:街の人たちがそういう人柄だからこそ、りんごみたいなフェスが続けられているんですかね。

ミキ:そうそう。タクシーのおじちゃんとかみんなりんごのこと大好きだもんね。単純にお客さんが増えるからかもしれないけど、「いーじゃいーじゃん、毎年やりゃあいいじゃん」って言ってるの。そういうノリの人が多いのかもしれないね。

長崎:へー! 新しいものを許容する空気があると。

ミキ:新しいものって思ってないかも。松本って、ほんとにアートが許される街なの。舞踏っていって、変なおじいちゃんが白塗りで踊る祭りも、「へー」って許されちゃう。

長崎:白塗りの変なおじいちゃん‥‥?

ミキ:祝日の歩行者天国で、白塗りした全裸のおじいちゃんと、ピンクのふんどししたお姉ちゃんたちが踊ってたりするの。捕まってもおかしくないくらい! でも、そういうのもみんな面白がって見てってくれる。

長崎:なるほど、松本にはそういう土壌があるんですね。面白いなぁ。

「りんご音楽祭」という共通意識が動いている

長崎:ここまで回を重ねてきて思うのが、これだけ個性豊かな人たちがバラバラに動いているのに、りんごのいいところや魅力を聞くとだいたいみんな同じことをいうんですよ。それがすごいなぁと思っていて。街の魅力とか、会場のアルプス公園のこととか、夜の部の楽しさとか‥‥。sleeperさんがお話されていた、りんごの目指す姿に見事にマッチしていて。

ミキ:私もsleeperに洗脳されてるのかな!? 怖くなってきた!(笑)

長崎:最近、一般参加者の方々へのインタビューの連載も始めたんですが、それですら共通する部分が多くて。みんな「りんご音楽祭」への共通意識がありますね。松本っていう街と、共通意識のもとでみんなが結束力をもってやっているから、もう「りんご音楽祭」は無くなりようがないですよね。

ミキ:えっ、結束力は無いよ?

長崎:あ、そうなんですか?(笑)

ミキ:全然無いよ。ほんとに、バランスだけでやってると思う。いつどうなってもおかしくないの。

長崎:だとしたら、奇跡のバランス力ですね。

ミキ:うーん、どうなんだろうね。フォーメーション力?

長崎:前回の志村さんは、ここ10年ずっと運営でやってきてて、コロナもあって今は外の立場からお手伝いしているわけですよね。その分、今年は僕が入ってきていて、これもバランス力というかフォーメーション力の成せる技なんでしょうか。

ミキ:それもきっと、何かしらの共通意識が働いているよね。sleeper自身も、きっとそれに動かされてる。「りんご音楽祭」って共通意識が勝手に動いているんだとしたら、こっちは抗いようがないし、そう思うとみんな楽だよね。

りんごの仕事は5秒で終わらす!?

ミキ:私はほんとに松本の街に育ててもらったと思ってるから、やれることやろうと思ってきたんだけど、りんごに関わるのは今年が最後でいいかなとも思ってて。

長崎:え! 第一回からりんごを支えてきてくれたのに!?

ミキ:私は、2018年で全てやりきってるの。2019年は妊娠していたからふわっとやって、2020年は出産、そしてコロナが始まって、2021年。ずるっときちゃったかなって感じがするの。今年は、デザインチームに20代の若い子が来てくれたから、これからは任せていきたいなぁって。

長崎:僕は今年から入ったので、過去のことはあまりわからないんですが‥‥。さっきもsleeperさんと「次のパーティーのフライヤーを来週までに」とかお話されてましたよね。それって普通のフェスの仕事ではきっとありえないことですよね。

ミキ:ほんとにそうだと思うよ!ありえないよ!(笑) sleeperは決まったことはすぐ告知したいからね。普通だったら「こういう案件があります。お願いできますか?」っていうところを、昼過ぎに連絡がきて、「明日の16時までに!」とか平気でいいますよ。あの人は。

長崎:なかなかですね‥‥。

ミキ:最近は「難しかったら明後日で大丈夫です」とかついてくるけどね、最初の頃はそれすらなかったから毎回ぶちぎれてた。人権無視じゃん、あたしの。だからね、どんどんりんごに対して時間を使うことがよくない。とにかく、「りんごの仕事は5秒で終わらす!」って決めてた。だって、「2時間もかけたのに!」とか思うの嫌じゃん。

長崎:5秒で終わらす‥‥!

ミキ:もともと、「りんごをゆるふわフェス風にする」っていう流れがあってね。だから、デザインもちょっとダサいくらいがいいよね!って手を抜き始めたの。そうやって来すぎちゃったから、ここはもっとデザインに愛がある人に譲ろうかなぁって。

長崎:そのお話、前回の収録で志村さんから聞きました。来てくれるお客さんをどうやって当日まで騙すかが作戦、っていう。でも、それをやるってことは会場に来させることさえすれば勝ち! って自信があるからこそできるわけで。

ミキ:自分たちの作ったものに対してだけじゃなくて、りんごに来るお客さんたちに対しての自信もあるね。お客たちさんが、松本を、そしてりんごを見つけて、ここまで来る。初期のりんごのお客さんたちのレベルが高かったんだよ。上手に遊んでくれる人たちがいる! って自信が私たちにはある。

「りんご音楽祭」は街の部活?

長崎:いわゆる大規模なフェスって、東京の会社が郊外の会場を借りて、数日間だけ開催されるけど、「りんご音楽祭」は、松本の街に住んでる人たちが運営していますよね。

ミキ:そうだね。そういう大規模なフェスで働いてる人たちって、きっとその「フェス」自体が好きでやっているんだよね。りんごはそこが違うのかも。りんごが好きっていうか、この街が好きだし、この街に遊びに来る人たちが好き。だからこそ、「りんごサイコー!」ってみんなが思ってる。

長崎:前のエピソードで、志村さんも「俺は仕事としてりんごをやるんじゃなくて、当日にどれだけ自分がアガれるか」しか考えてないってお話してくださいました。だから友達としか仕事できないし、ビジネスとして割り切ればうまくやれる部分も、ついこだわってしまうと。

ミキ:「遊ぶため」にやってるって思った方がハッピーですからね。そこで相殺するしかないんだよね。私はデザインチームだから、当日何かのトラブルがない限りフリーなんだよね。妊娠するまでは本当に誰よりも遊んでた! 

長崎:「りんご音楽祭」があるから、松本の街にみんなが来てくれて、みんなで遊べると。

ミキ:そう、そういう部活! この部活のインターハイあったら俺たち勝てるよね!!って思ってる時がある。ふふ(笑) それくらい、みんなが好き同士だから。

長崎:でもやっぱり、それゆえの難しさも多いですか?

ミキ:みんなで何かを作るってなるとね。それはもうしょうがないよね。こないだもsleeperにほんとに失礼なことされてキレたもん。

長崎:なにされたんですか(笑)

ミキ:もうねぇ、あれは……sleeperってね、気持ちにまっすぐだから、最初に言ったことと、違うことを言いだすんだよね。いやわかるよ、でも周りにどう説明するの? って。

長崎:sleeperさん、最初から「俺は自分を信用してない」って明言してますもんね。

ミキ:ずるいよね。あいつはそういう防御法をこの10年で身につけたね。でもさ、アーティストとか芸術家って大抵変な人じゃん? sleeperなんかと一緒にするのはあれですけど。変っていうか、周りが大変だね! そして、周りがみんな大人なんだと思う。

長崎:sleeperさんってあれだけ表に立つ存在で、大きいフェスの主催者なのに、みんなsleeperさんのことを信用してない感じがしてて。

ミキ:そうだね、みんな自分を信用してるよね。ここは俺がやるから大丈夫って。

長崎:sleeperさんは、外側から見ると華やかなフェスの主催者ですけど良くも悪くもめちゃくちゃ「人間っぽい」方ですよね。あれだけ大きなフェスで、あんな人間っぽいひとがやっていること自体がりんごの魅力なのかなと思っています。

ミキ:ほんとにそう! 人間ぽい! それはね、sleeperに関わらず、りんごのメンバー全員がそうだね。要は、「持ち味」だけでやってるからねみんな。「俺の持ち味はこれ、お前の持ち味はそれ」ってみんなの「持ち味」を持ち寄って、形になってる。でもきっとそれが一番いいことだよね。sleeperは「すげぇムカつく嫌なやつ!」って持ち味をやってくれてるの。

長崎:持ち味! なるほど…。みんなsleeperさんにダメ出ししますよね。何十年もトップをやっているのに、あの立ち位置でいる人って貴重じゃないですか? 普通は、えらくなるにつれて、下の子や若い子が何も言えなくなっちゃう。

ミキ:みんな言えてるかなぁ、大丈夫かな。

長崎:「瓦レコード」のスタッフさんたちとか見てると、言えてるはず、です。

ミキ:スタッフの子達は言ってるね。でも、まだ彼の周りで何か言えずに傷ついてる子がいないか心配だなぁ。

長崎:でも、そういう人たちの分まで「瓦レコード」のスタッフの子たちがみんな言ってくれてる感じがありますね。

ミキ:最高だよね、あの子達! ほんとに。うん、言ってこ! 思ったこと言ってかないとね、損した気分になるし、体に良くないから。長崎くんもお金はもらってるだろうけど、sleeperに雇われてはいないんだよ! sleeperをうまく使って、やりたいようにやればいいの。

長崎:なるほど、そうか。

ミキ:でもそれがね、sleeperはうまく使えないんですよ(笑) ほんとに強情なの。強情な上に、毎回「えっ、それ人としてどうなの!?」って爆弾を投下するの。だから私は、sleeperにちゃんとキレながらデザインをやるのが私の持ち味だし役割だと思ってやってきた。

長崎:なるほどなぁ。いやぁ、こうやって主催者のそういう部分をがっつり話してくれる方がなかなかいないのでありがたいです。

ミキ:過去の収録聞いたけど、全員おじさんでむずかしい!(笑) すごい真面目なこと喋ってた。私も勉強になりました。

長崎:これまで、そういうフェスの裏側って語られてこない部分だったと思うので面白いです。

ミキ:知りたい人いるのかなぁ。

長崎:昨日「瓦レコード」にきていた名古屋の若い子たちに、「podcast聞いてますよ!」って言われたんですよ。

ミキ:そうだよね。今回、長崎くんがこういう企画をしてくれたおかげで、航平くんみたいな子がこれを聞いてくれて、りんごに来てくれるってことでしょう? すっごくうれしい! ちょっとまじめな子が増えるんだよね、これからのりんごは。

長崎:人間っぽいだけじゃなくてね(笑) でも、こういう作っている人たちの声に共感して、りんごに魅力を感じてくれている人たちがいるんだとしたら、そういう人たちにたくさん来てもらいたいです。では最後に、聞いてくれる人たちにメッセージをお願いします。

ミキ:ぜひ、試しにパトロールに来てほしいな! みんな「りんご音楽祭」良いって言ってるけど、どんなもんなんだろう? くらいの気持ちでね、気負わずに。それで、自分なりに遊んでみて、上手にできた! って思い出を作って欲しいです。

長崎:
僕も、僕なりのりんごと松本の遊び方を見つけたいです! ミキさん、今日はありがとうございました。

OTHER MAGAZINE

RECENT NEWS